KBS特別公開講座 開催報告

慶應義塾大学ビジネス・スクール 特別公開講座 Breakthrough Innovation - Making most out of intellectual property「知財の有効活用と競争力強化」

慶應義塾大学ビジネス・スクール公開講座シリーズの一環として、ハーバード・ビジネス・スクール教授 国際関係副学長のフェリックス・オーバーホルツァー・ジー教授をお招きし、8月5日、東京駅丸の内南口のJPタワーホール&カンファレンスで、「知財の有効活用と競争力強化」をテーマに特別公開講座が開催されました。約400人の方がご来場されました。

講演ではまず、近年、技術開発の進歩に伴って、知財を巡る「テクノロジー戦争」と呼べるほどの厳しい状況に立ち至っている一方、消費者のニーズと購買力に合致した技術しか使わない「リバースエンジニアリング」が成功を収めているという現状分析が提示されました。ついで今回の講演の核心である「知財と企業の競争戦略」を結びつける、以下の3つの項目について、豊富な事例を挙げた解説がありました。

(1)価値ある知財をいかに開発するか
(2)知財をどう守るのが最良の方法か 
(3)知財をいかに有効に資金化するか

興味深いケースとして、ヘリコプターのディーゼルエンジン過熱防止技術を大型トラックのディーゼルエンジン向けにライセンス供与して成功した実例が紹介されました。一方、失敗例として1980年代にパソコン開発で先陣を切っていたアップル社が、他社のソフト開発に過大なライセンス料を課したためパソコンが売れず倒産に瀕したことが説明されました。終講後も質問者の行列が出来るなど今回のテーマへの関心の高さがうかがえました。

関連記事:知財活用法、最先端の手法とは?ハーバードの知恵を学ぶ(日経 Bizアカデミー)

公開講座シリーズはKBSが最先端の経営学研究の成果を広く社会にお届けし、実際のビジネスシーンで役立てていただくことを目的として全6回にわたり開催予定です。

このたびは、ハーバードビジネススクールのフェリックス・オーバーホル ツァー・ジー教授から、日本のビジネス・エグゼクティブを中心とする皆さまに直接お話しをしたいとのご希望もあり、特別公開講座を開催しました。

開催概要

日時 2013年8月5日(月)19:00~21:00(18:30受付開始)
会場 JPタワーホール&カンファレンス
〒100-7004 東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー4階
その他 参加費無料、逐次通訳付き

特別公開講座
Breakthrough Innovation - Making most out of intellectual property
「知財の有効活用と競争力強化」

多くの企業で、研究開発、戦略そして法務の各機能の統合がうまくいっていない。その結果、こうした企業は知的資産が生み出す価値を創造したりその成果を獲得する機会を逃している。統合がうまくいかない理由の一つが、機能の縦割り構造である。しかしながらそれより重大なのは、技術部門、法務部門、経営幹部が知的資産をより良く活用できる、共通のフレームワークや言語が欠如していることである。この講演では、そのようなフレームワークを提示したい。主要なポイントは、知的資産の活用について最良の方策など存在しないこと、多くの経営幹部層が市場での競争力強化の面で知的資産活用の魅力を過大評価していることである。むしろ知的資産を守りその恩恵を得るための各種の方策の価値は、 企業の戦略、市場の競争環境、急速に変化する関連法令の動向に依存していることを、本講演では明らかにしたい。

講師紹介

ハーバードビジネススクール教授
Felix Oberholzer-Gee(フェリックス・オーバーホルツァー・ジー)先生

チューリッヒ大学で経済学修士号(首席修了)、同経済学博士号取得。スイスのプロセス制御設計会社Symo Electronicsの取締役およびペンシルベニア大学ウォートン校での教職を経て、2003年よりハーバード・ビジネススクールで教鞭をとる。ハーバード・ビジネス・スクールの2年生を対象とした「Strategies Beyond the Market」の授業は、もっとも人気のある授業のひとつである。また、企業のシニア・エグゼクティブを対象とした講座を中心に競争戦略論の講義も行っている。これまでに数々のティーチング・アワードを受賞。

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