2021年10月11日

2021年度「集中企業研究」開催報告

 

2021年6月18日(金)、集中企業研究(1学期開講科目、三冨正博講師)の一環として、株式会社パーク・コーポレーション(以下、パーク・コーポレーション)の経営に関する公開授業が開催されました。新型コロナウイルス感染症の影響により、三冨正博講師(以下、三冨先生)および本授業を履修する学生は協生館5階エグゼクティブセミナールームにて集まり、公開授業の参加者はオンラインで参加する、ハイブリッド形式で行われました。当日は、パーク・コーポレーション代表取締役井上英明様(以下、井上社長)をはじめ、外部から60名以上の方にご参加いただき、大変活発で有意義な議論が交わされました。

今回の対象企業であるパーク・コーポレーションは、リテール事業として花の小売販売を行う「青山フラワーマーケット」を主な事業としています。直近20年の売上高では、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた2020年を除いて、順調に右肩上がりに推移しています。店舗数も着実に伸ばし続けており、現在では国内外に117店舗を展開しています。その他に、EC事業、スクール事業、カフェ事業、空間デザイン事業、法人事業を擁していますが、「花や緑に囲まれた心ゆたかな生活を都市生活者に届けるブランドを作っていきます」という井上社長の言葉通り、すべて花や緑に関する事業を展開している企業です。

本授業では、開講の4月初旬から約2か月間、社長や複数社員への数回にわたるインタビュー、公表資料や実地調査を通じて、一つの企業を深く分析し、学生同士で協力し合いながら、企業の概要、理念、特徴や、実際に直面している経営課題などをまとめて、ケースを作成していきます。今回、井上社長をはじめとする経営層、中堅層、若手層の様々な方々へのインタビューを通じて、公表資料では知り得ない、企業に属するヒトの思いや内部の様子をたくさん聞くことができ、パーク・コーポレーションがいかにして社長の思いである企業理念を深く浸透させることができたのか、またどのような課題があってどう克服してきたのかを知り、自身の見識を深めることができたと思っております。

また、本授業の集大成として「公開授業」を開催し、外部の受講者を招いて、学生によるファシリテートの下、KBSの特徴の一つであるケースメソッド授業を行います。公開授業では、作成したケースを基に「自身がこの企業のトップであればどうするのか」という視点で、将来に向けた経営戦略について、参加者の皆様と議論を行いました。我々が想定していた以上に積極的に議論がなされ、大変良い学びの場となりました。

そして、議論を終えた後に、最終的なアウトプットとして学生による経営提言を行います。この経営提言の作成にあたり、三冨先生にご指導をいただきながら、経営者の視点に立って熟考し、学生間で何度も議論を重ねて完成させました。

本授業では、ケース作成、公開授業のファシリテート、最終的な経営提言を学生自らが主体となって行うため、基礎科目では得難い貴重な体験をすることができました。また、それだけでなく、三冨先生からフレームワークや実例を交えたレクチャーを受けることによって、インタビューや公表資料などを通じて得たたくさんの企業の情報を、さらなる理解に繋げることができたとも確信しております。今後も多くの意欲の高い学生が本授業を受講し、ご協力くださる企業の価値創造に少しでも貢献することができるよう心から願っております。

最後に、大変ご多忙の中、数回にわたるインタビュー、調査にご協力いただいた井上社長をはじめとするパーク・コーポレーションの社員の皆様方に心より感謝申し上げます。

修士2年(M43)
呉沁沢・ガンバトトゥメンバヤル・木下裕・栗林良行・黄光尭・焦佳良・潘珠・劉人歌

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