2011.11.01

修士1年生 震災復興を考えるワークショップ合宿開催報告

2011年9月9日(金)~10日(土)の2日間、今春に入学したM34期生で、震災復興を考えるワークショップ合宿(於 下田東急ホテル)を行いました。例年4月に行われる入学オリエンテーション合宿が、今年は東日本大震災の影響で中止となっていたため、先輩達から語り継がれていた下田での濃密な時間を遅ればせながら体験する形となりました。
■趣旨
今回の合宿の趣旨は、「2 日間という凝縮した日程でタフな課題に取り組むことで、困難を乗り越え同期と結束する」、「多様なバックグラウンドを持つ同期と共に、震災復興を議論することで、これからの日本経済を担うビジネスリーダーとしての志や問題意識を再確認し、分かち合う」という2点でした。それに加え、我々の代は入学後既に半年が経過していることもあり、1学期の必修科目(会計管理・マーケティング・組織マネジメント・経営科学)を言葉どおり乗り越えた経験が試される場ともなりました。
■被災した本研究科OBによる特別講演
1日目の昼に全員集合した後、まず最初にゲストスピーカーとして、株式会社水戸理化ガラス代表取締役社長・平沼博氏と弘進ゴム株式会社代表取締役社長・西井英正氏にご登壇いただきました。お二人とも本研究科OBであり、震災以降まさに最前線に立たれていた経営者として、自社の被災状況から経営者としての心境や行動に至るまで、非常にリアルに話してくださいました。合宿前の夏季休暇中には、私含め多くのKBS有志メンバーが東北視察・ボランティアなどに参加し、想像以上の損壊に衝撃を受けていたため、質問の絶えない場となりました。特に経営者としての判断軸などを生でお伺いすることは貴重な体験となりました。
■深夜に及んだグループワーク
 その後は、グループワークに移りました。テーマは「東北復興、日本経済復興に寄与するビジネスプランを立案すること」。アウトプットは2日目午後のビジネスプランコンペティションで発表することになっていました。
私の属したチームは7名のチームで、メーカー・製薬・食品・会計士・会社役員(取締役)・新卒(米国大学出身)といった多様なメンバーが在籍していました。限られた時間で最高のパフォーマンスを上げるため、各人のスキルや経験に基づき作業を分担し、同時並行で作業を進めるとともに、全体を常に相互に進捗をコントロールしながらモデル構築を進めるなど、チームビルディングには気を使いました。
事業目的、ビジネスモデル、収益シミュレーション、人員計画、マーケティング手法などをカバーするプラン立案の時間は、17時から翌日の13時までの20時間しかありません。各人の持ち寄ったアイディアの収集から、テーマの決定、具体化まで、ごく短期間で仕上げる必要がありました。我々のチームは、グループワークの前半に相互理解や現状分析・課題のすりあわせを集中的に行い、その上で被災地と寄付金をマッチングするビジネスプランを立案し、より具体的なシミュレーションを組むことでコンペに臨むこととしました。
熱いディスカッションは明け方まで続き、コンペ当日の朝もプラン内容を発表用の資料に落とし込む作業が続きました。資料の仕上がりは発表開始のなんと5分前、滑り込みでの提出となりました。
■ビジネスプランコンペティション
 2日目午後のビジネスプランコンペティションでは、3時間超にわたり12グループが一堂に会して、プラン発表に臨みました。どのグループも観点が異なり、多くの示唆を与えてくれるものでした。一例としては「"長屋"型ルームシェアリングサービス」「福島における植物工場経営」「自助努力による復興を促進する小口出資者と投資先のマッチングサービス」など、非常にオリジナリティのある提案や精緻な分析に基づいた提案がありました。
 最終的には我々のチームが実現可能性やシミュレーションの現実感を踏まえて優勝いたしました。しかしながら、さらなる実地調査があれば他のどのプレゼンが優勝をしてもおかしくなかったと思います。どのチームも、一晩で作り込んだにしては深みのある、また東北および日本の復興に対する熱い想いが伝わってくるプレゼンでした。
■全体を振り返って
 今回の合宿は、普段のケースメソッド授業とはまた少し違った形で、多種多様なバックグラウンドの学生が多様な観点を与え合う、貴重な場だったと実感しています。
 また、KBS入学後、渦中にあると気づかないものでしたが、1学期の半年間で広い観点の学びがあったのだということを自ら実感する良い機会にもなりました。
 そして、深夜に及ぶ熱い議論を通じて、メンバー同士が深い絆で結ばれ、互いの志や問題意識に刺激を与え合うことができたのが、何よりの収穫となりました。
修士1年生
田中 穣二郎( たなか じょうじろう)
1976年生まれ 慶應義塾大学経済学部2001年卒業
(株式会社リクルート退職)
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