2013.04.15

平成24年度経営管理研究科学位授与式 研究科委員長式辞

皆さんがKBSに入学した頃を思い出しています。今から2年前、直前に発生した東日本大震災の翌月4月から、皆さんはKBSでの勉強をスタートしました。まだ計画停電の続く中で日吉での勉強を開始されたわけですが、まずはそうした状況の中で勉強する機会を得られたということに感謝し、今日まで皆さんを支えてくれた家族や関係者に思いを致していただきたいと思います。

KBSでは2年間、ケースメソッドを中心とする非常にタフな勉強を皆さんに求めてきました。多大な予習を要する議論や修士論文の作成を通じて、高度な経営知識を身に付け、社会を先導するリーダーを目指すためのカリキュラムを課してきたのです。その修了を心から祝うとともに、今日の卒業と学位授与を一つの出発点として考えていただきたい、そういうことを申し上げたいと思います。

皆さんは、これまで、基礎科目、専門科目、修士論文、IP(International Exchange Program)、ゼミ等で多くを学んできたわけですが、実社会でリーダーとして活躍していく上では、その勉強だけではまだまだ十分ではない、ということをまず肝に銘じて下さい。今日は、これから続く勉強や社会での活躍に向けての節目に過ぎません。今後は、KBSで学んだことを実際の経営問題に適用し、状況に応じて自由自在に知識を使いこなすことが求められます。皆さんは言わばドライバーズライセンスを得たわけですが、どう運転するか、例えば在学中の学びを知識の体系としてどう整理するか、引き出しから適切かつ迅速に必要なものを取り出せるかが問われ続けるのです。

同時に、ホモジニアスな環境で経営やリーダーの資質を学ぶことは難しい、ということを再認識していただきたいと思います。その観点から、KBSは、IPでの留学や留学生の受け入れ、英語による授業、中国や韓国の学生とのフィールドスタディ等の環境を出来るだけ多くオファーしてきました。ただし、これでも未だ十分ではないのです。皆さんの経験は、大学の教室内という限られた場面での勉強でした。経済社会のグローバル化の中で、実社会はもっと多様です。価値観・文化の異なる人々と交渉し、ビジネスを成功に導かねばならない状況がたくさん発生します。

ビジネス相手だけでなく、同僚も多様です。KBSでは、クラスメートや仲間と打ち解け、KBSらしい仲間意識が強く育ったと思います。クラス討議やグループプロジェクトでも、リーダーシップやコミュニケーションについて勉強してきましたが、仕事の成果を厳しく求められる実際の現場で、背景や考え方が異なる人々と、切磋琢磨しながら一緒に働くという場面は、これまでの2年間では限られていたと思います。しかし実社会では、当然もっと多様なバックグラウンドをもつ人たちと一緒に働くことになります。そのような場面で、皆さんが、周りからリーダーとして尊敬され、価値観を共有できる人であってほしいと願います。

また、今後さらに勉強し、知識を深めていくことはもちろん大切ですが、皆さんには、個人としての価値観や使命感といったものをブラッシュアップしていくことも重視してほしいと期待しています。これは一生かかる勉強です。人間性を振り返り、得意なところや長所を伸ばす一方、自分に足りないところは周囲に補って貰い、自分が大事と思っていることを伝え、周囲とそれを共有し、自らの人間性・価値観をもっと磨き、深いものにしていっていただきたいのです。

皆さんは卒業後、同窓生として活躍されるわけですが、それはKBSのブランド力に大きな影響を与え、後進に大きなインパクトを与えることとなります。これから良い仕事をして、自らの人間性を磨くと共に、KBSのブランドに貢献して、後進にもKBSにぜひ入学したいと思ってもらえるような、歴史の伝承役となってくれることを期待しています。

卒業おめでとう。皆さんの今後の活躍とさらなるブラッシュアップを期待して、私の祝辞と致します。

2013年3月29日
慶應義塾大学大学院経営管理研究科
委員長 河野宏和

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