2017.05.01

2016年度学位授与式 研究科委員長式辞

皆さん、本日は修了おめでとうございます。今回初めてMBAプログラムとExecutive MBA(EMBA)プログラム合同の学位授与式になりました。本日めでたく147名の方々が経営学修士の学位を取得されましたが、ご家族、会社の仲間や先輩後輩、同級生のサポートが無ければ、学位授与式を迎えることはできなかったと思います。改めて感謝の気持ちを強く持って欲しいと思います。

KBSは、2年前に新たな改革として、全日制のMBAプログラムに加えて、Executive MBAプログラムを開設しました。本日の学位授与式で第1期生を送り出す事も、学校にとって大きな節目となります。これからさらにKBSが発展していけるように、皆さんの力を得ながらプログラムの改良に努めていきたいと強く考えています。

皆さんの修了に当たって、MBAとExecutive MBAの価値、役割について私の思いをお話しします。今、社会はグローバル化、IT化と言われ、変化の激しい時代を迎えています。その中で、我々の研究科が重視していることは経営能力です。意思決定の能力や経営の判断能力が無いと、ベンチャースピリットや新しい技術、ビジネスのアイデアを持っていても、ビジネスが成長していく過程で、そのプロセスをマネジメントし、組織を先導して的確な意思決定をすることは出来ません。新たなビジネスとしてIoTや、医療・健康の分野が注目されていますが、どのような分野のビジネスでも、大切になるのは経営の視点・知識・スキルを持った人達です。今の時代、変化が激しいからこそ、皆さんの活躍の場がより増えて来ると我々は考えています。しかし、経営能力とは学校の中で完成するものではなく、実社会に出て様々な出来事に直面し、KBSで学んだことを活かしてみて、その知識と経験によって拡充していくものです。その積み重ねによって立派な経営者、リーダーとしての資質が真に身に付いていくのだと考えています。これが1つ目に伝えたいことです。

次に2つ目です。ビジネス界では専門性、例えばITだけではなくマーケティングやファイナンス、オペレーションなど様々な分野の専門性が今後ますます求められることになります。さらには、単一の専門性だけではなく、複数の専門知識を持っている人を社会は求めています。そうした専門性をビジネス界に出てから増やし、さらに自分が一番得意なものを掘り下げていって欲しいと思っています。そうした専門性と経営能力のバランスに留意して成長して欲しいということが2つ目に伝えたいことです。

3つ目として私が伝えたいことは、国際感覚を培うことの重要性です。KBSでは、様々な国際プログラムや海外フィールド科目を通して、日本とは全く異なる文化の下で生活をしている人たちが、どのような考えを持ち、どのような課題に直面しているかを体験してもらう機会を増やして来ましたが、まだまだ十分ではありません。これからの仕事では、異文化の人たちと直接コミュニケーションを取って交渉することが必須であり、日本にいてもそういう場面がますます増えていきます。単に語学力を高めるだけではなくて、そうした時に、堂々と自分の考えを発信出来る能力を身に付けて欲しいのです。日本人は、ビジネスの現場で自分の意見を言わずに会社に持ち帰ることがしばしばあります。これではチャンスを逃してしまい、活躍の場も自然と限られてしまいます。日本人としては少し出っ張っている位の国際感覚を身に付けて欲しいと思うのです。今回留学生の方々も数多く修了したので、MBA、EMBAの人たちが一緒に同窓会活動の中で国際感覚を共有し、高めていって欲しいと期待しています。

もう1つ付け加えたいことがあります。日本にあるビジネススクールとして我々は主に日本語のプログラムで教育をしています。英語力の必要性は当然に高まっていますが、同時に、日本に立地しながら、日本の経営の面白さ、価値や課題をどんどん発信していかなければ、日本にあるビジネススクールとしての存在意義は相対的に低くなってしまいます。KBSの修了生は日本の良さも課題も深く認識しているので、皆さんがそれらを世界に発信し、世界にどうやって貢献していけるかを積極的に伝えていって欲しいと希望しています。KBSが、日本という立地を忘れて、あるいはアジアという視点を忘れて存在していくことは有り得ません。こうした視点に立って皆さんが国際社会で活躍してくれることが、KBSにとって一番嬉しいフィードバックになるのです。

修了式、あるいは学位授与式というのは一つの区切りですが、皆さんが社会に出て活躍するための出発点であり、教職員、同級生、先輩後輩と新たなつながりを作るスタートだと思っています。本日までの2年間が無事に終了しても、ここから新たなスタートを切るという気持ちで、4月から新たな職場、環境の中で活躍して欲しいと祈念しています。
改めて、修了おめでとう。


2017年3月28日
慶應義塾大学大学院経営管理研究科
研究科委員長 河野 宏和

 

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