コースは、講義とケースメソッドの併用により、MBAの財務コースの中でも中核になっている企業価値評価、リスク管理、経営戦略における財務的思考について、受講生に集中的な検討の機会を提供します。受講生が、M&Aの判断、経営上のリスクコントロール、成長戦略の検討と評価などの局面で経営幹部が必要とされる、財務的思考と基本的手法を理解することを目的としています。
小幡 績 OBATA , Seki
准教授
1992年東京大学経済学部卒、大蔵省(現財務省)入省、1999年退職。2000年IMF、2001年~3年一橋大学経済研究所専任講師。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)
高橋 大志 TAKAHASHI, Hiroshi
准教授
1994年東京大学工学部卒業。1994年~1997年富士フイルム(株)研究員。1997年~2005年三井信託銀行(当時)シニアリサーチャー。2002年筑波大学大学院修士課程修了。2004年同大学院博士課程修了。2005年~2008年岡山大学准教授。2007年キール大学客員研究員。2008年より慶應義塾大学経営管理研究科准教授。博士(経営学)
井上 光太郎 INOUE, Kotaro
准教授
1989年東京大学卒業、1997年マサチューセッツ工科大学大学院修士課程修了(MBA)、2003年筑波大学大学院博士課程修了(経営学博士)、大手邦銀(1989年~1998年)、KPMGのM&A部門のディレクター(1999年~2003年)、名古屋市立大学大学院経済学研究科助教授(2003年~2007年)を経て2007年4月より現職。行動経済学会理事
| 第1回 | 2012年2月25日(土)/ 担当:小幡 績 |
ケース1:「株式会社セブン銀行」
セブン銀行は、2005年4月27日、千葉の「Ario蘇我」にあるイトーヨーカドー蘇我店内に、セブン銀行初の有人店舗を出店した。コンビニのATMネットワークを中心とした銀行という分野でのベンチャーで大成功を収めたセブン銀行はさらなる発展を目指して、有人店舗も展開しようとしていた。金融・銀行という保守的な産業における全く新しいビジネスモデルに挑戦するベンチャーとも呼べる企業の経営戦略について議論する教材である。対応分野は、金融、財務管理、ベンチャービジネスである。
ケース2:「株式会社ブリヂストン」
ブリヂストン社が行ったファイアストーン社買収に際して、ブリヂストン社がピレリ社のTOBにどのように対応するかの検討。
レクチャー: 「行動ファイナンス」
| 第2回 | 2012年3月3日(土)/ 担当:高橋 大志 |
ケース1: 「昭和シェル石油株式会社」
1993年2月昭和シェル石油は外国為替の先物予約取引に伴って多額の含み損を抱えたことを発表した。このケースでは、この損失への対応を検討する。
ケース2: 「株式会社ヒマラヤ」
天候の変動による事業リスクをヘッジするため、1999年に日本で初めて天候デリバティブを購入した株式会社ヒマラヤのケース。この様な商品の性質を学ぶとともに、付帯条件をつけるべきか否か、そもそも購入すべきか否かを考えさせるケースである。
レクチャー: 「金融派生商品について」
| 第3回 | 2012年3月10日(土)/ 担当:井上 光太郎 |
ケース1: 「日吉エール株式会社」
日吉エール株式会社は、ケンブリッジエールから資本提携を伴う業務提携の提案を受けた。日吉エールの鈴木社長は、この事業拡大への投資およびそのための増資の妥当性検討を開始した。本ケースは、DCF法など標準的な企業価値評価手法を学ぶことを目的とした仮想ケースである。
ケース2: 「HOYAとペンタックス(A)」
2006年の年末、HOYAとペンタックスは、統合に向けた協議を続けていた。HOYAの鈴木洋社長は、HOYAによるTOB(株式公開買付)を候補として考えていた。しかし、ペンタックスの浦野文男社長は、対等な精神の合併の方が好ましいと感じていた。2社は時価総額で大きな差があるため、実質的にHOYAに吸収されることは認識していたが、事業運営については対等の精神を打ち出すことが、社内をまとめるために必要と感じていた。
レクチャー: 「企業価値評価の基礎」