2013年度 第48回MDP開催報告
セミナー概要
開催日時 | 2013年9月9日(月)~ 12月6日(金)(3カ月間集中全日制プログラム) | ||
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会 場 | 慶應義塾大学日吉キャンパス協生館 | ||
オリエンテーション合宿 | 9月9日(月)~ 9月13日(金) | 名古屋東急ホテル | |
ビジネスゲーム合宿 | 10月23日(水)~ 10月25日(金) | セミナーハウスフォーリッジ | |
受講者数 | 19名 | ||
時間割 | 第48回MDP月間時間割 |
第48回MDPは、2013年9月9日、名古屋でのオリエンテーション合宿から始まりました。
5日間のオリエンテーション合宿終了の後、日吉キャンパス協生館へ場所を移しての3カ月間は、1日2つのケースディスカッションと、自身の関心のあるテーマについてまとめる「個人研究」を平衡して進めていくというタフな毎日が続きます。授業の予習には、1ケースにつき2~3時間を要します。今年も受講者の皆様が、授業後遅くまでディスカッションルームに残り、翌日の予習やディスカッションを続ける姿が見られました。
また、KBSの提携校である韓国Yonsei University School of Businessより、Kil-Soo Suh教授をお招きして、デザイン調査に関するワークショップを担当いただきました。
12月6日の終講式では、すべてのプログラムを終えた受講者の皆様の、達成感に満ちた表情が印象的でした。
受講者アンケート
プログラム編成や科目配分
- バランスが取れた科目配分だと感じました。
オリエンテーション合宿
- 頭を切り替えるための導入として、非常に有用であったと思います。5日間という期間も適切でした。
デザイン・ワークショップ(Yonsei大学Kil-Soo Suh教授)
- 一人ひとりの気付きを“AND”でつなげることで、事前に想定していなかったアイディアを思いつくのだということを体感できました。
工場見学
- メーカーの人間としては他社の取り組みを見ることができ、非常に面白かったです。
製造業でない人には、現実感が得られる良い機会だったと思います。
ビジネスゲーム合宿
- 私はこれまで、実務で会計や財務諸表に触れてこなかったのですが、まず、ビジネスゲームオリエンテーション講義を受けて「知識」として理解できました。その後、このビジネスゲームで「腹に落ちる」体験をすることができました。
2泊3日、朝から晩まで仲間と討議する時間は非常に有益でした。
個人研究
- 自社の置かれている環境を見直す、良いきっかけとなりました。
印象深かった授業(抜粋)
- 「八甲田山雪中行軍」大林厚臣教授(意思決定とインセンティブ)
究極の状況下での意思決定・選択というケースで、印象深かったです。ビジネスの様々な局面でどのように活用できるか、考えさせられました。 - 「吉野家とゼンショー」村上裕太郎准教授(会計管理)
タイムリーな話題であったことや、村上先生が熱心だったため、ケースの世界に入り込むことができました。 - 「ソフトバンク(株) ―2040年へのビジョン―」山根節教授(会計管理)
孫氏の目指している方向性が理解でき、非常にすっきりしました。本当に面白い講義でした。 - 「シアーズ・ローバック・カンパニー(A):再建」清水勝彦教授(組織・マネジメント)
清水先生の講義のスピード感がすばらしく、また、ケース中に考えさせられる問題点が豊富にあり、印象に残りました。 - 「ヤマト運輸株式会社」中村洋教授(経営環境)
ドミナント・ロジックや、二刀流組織の意義について、クリアに理解することができました。
第48回MDP 受講者インタビュー
ケースメソッド主体の内容は、臨場感・経営者の意思決定の難しさを体験出来る。
平川浩行氏
株式会社大分銀行
当行では今回、初めて慶應義塾大学ビジネス・スクールのMDPに参加いたしました。MDPのプログラムは、1時間がグループ討議、2時間がクラスでの講義といった構成が主体になっています。グループディスカッションは、事前学習で纏めた自分の考えを整理する良い機会となりました。そして他業界の立場の異なる方々との意見交換は、多様な発想に触れることができ、良い経験となりました。業種柄、全業種と取引があり、それなりに他業界のことも解っているつもりでしたが、講義を受け、それは誤った認識であったことが解りました。私は何も理解していなかったのです。毎日の講義は驚きと新たな発見の連続で、興味が尽きることはありませんでした。また、ケース主体のプログラムは臨場感があり、経営者の苦悩、意思決定の大変さの一旦を垣間見ることが出来たと考えています。
環境変化に合わせた戦略の多様性、ビジネスモデルの複雑さを理解できる良い機会
スポーツと異なり、ビジネスはルールの無い戦いです。戦いは自由で複雑で多面的な要素の中で行われます。勝者は一人ではなく「どこで戦うのか?」「どこで生きるのか?」といったポジショニング選択で共存が可能です。逆に規模やノウハウに優れた企業と『同質化競争』に陥れば当然敗北もあります。予習で、経営者になったつもりで意思決定をしてみましたが、実際に行われた意思決定は、予想以上に奥深く、重い意思決定がなされています。多様な戦略、戦い方が存在すること。そして経営者はどの様な点を重視して意思決定したのか?日々新たな学びを体験でき、本当に良い経験となりました。恵まれた環境と優れた講師陣、事務局の方々のお蔭で有意義なあっという間の3カ月間でした。
前提や常識を疑う姿勢
菊池保氏
東北電力株式会社
当社では、「全体最適の視点と柔軟な発想で変革に挑戦できる人材」および「高い使命感の下、電力の安定供給を支える確かな技術・技能を有する人材」を計画的に育成する観点から、各種教育・研修に力を入れており、本MDPにも定期的に社員を派遣しています。
私は管理部門の経験が長く、ビジネス・スクールの基礎的な内容は分かっているつもりだったのですが、クラス・ディスカッションの中でKBSの清水先生からレクチャーをいただいたように"分かっていたと思っていたことが実は分かっていなかった"内容が、多数あったことを肌身で理解した次第です。自分が考えている前提や常識を疑う姿勢が重要であることを痛感しました。また、カリキュラムに沿った各科目や工場見学、ビジネスゲームのいずれも実務に直結した最新の内容で、認識を新たにすることができました。
充実した日々と他業界との交流
MDPは、3カ月間、日常業務から離れ集中的にMBA1年目の内容を学ぶことができるタフで実践的なプログラムです。特に中核となるケースメソッドは、グループおよびクラス・ディスカッションのいずれにおいても真剣勝負が求められました。各ケースは質・量ともレベルが高く、予習・復習に相当な時間を費やしましたが、振り返ってみると寝食を忘れ、図書館やミーティングルームで過ごした日々は、とても充実していたと思います。
また、KBSの先生方および他業界の受講者の方々と、公私共に深く交流できたことも大きな喜びであり、皆様からいただいた温かい言葉の一つひとつが励みになりました。今後もMDPで得られた経験・知識を活かし、企業変革に挑戦しながら地域の復興・発展に貢献して参りたいと考えております。
※ 所属はセミナーの参加当初のものです。