『技術戦略の経済学』　講義ノート　　

                                                                                                                姉川知史　

S1 マネジメント入門　ビジネスカリキュラムについて

(*)資料「慶應義塾大学大学院経営管理研究科講義要綱」当日配布

(*)資料「企業価値を最大化するための技術経営」『一橋ビジネスレビュー』当日配布

Purposes：　目的

本科目に対する導入として，ビジネス教育，とりわけMBA Programの標準的カリキュラムを提示する。

MBA学位を取得しない大多数の人にとって，ビジネス教育はどうあるべきかを検討する。

理工学研究科，医学研究科学生にとって，ビジネス教育はどうあるべきかを検討する。　

Topics：　ビジネス教育について

business schoolとは何か？

business 教育とは何か？

日本におけるMBA教育の現状

ＫＢＳ， MBAカリキュラムの構造

経営教育の対象と内容

理工学研究科学生に対するビジネス教育

Summary：　要旨

この科目の第1の目的は，ライフサイエンス，エンジニアリング等を研究する理学，工学，医学等の修士課程学生に対称にして，仕事において必要となる，ビジネスの初歩的理解，マネジメント教育の導入を行うことである。第2の目的は，ビジネス専攻の学生に対して，技術を主題にして，それをいかに経営に位置づけ，活用するかを検討することである。第3の目的は，経済学を利用して，企業が技術をどのように分析し，マネジメントを行うべか，その方法，可能性，限界を示すことである。

S2/3 ケースメソッド入門    

(TM)ノート「ケースメソッドについて」

(**)事例「3M Optical」

Purposes：　目的

　TM資料を使用して，ケースメソッドについて紹介する。次に実際に事例を使用してケースメソッドを実施する。

3M Opticalの事例

　3Mにおける技術マネジメントのあり方の紹介

　大企業なの小規模新製品開発プロジェクトの紹介

　問題設定，問題の背景，解決策の提示，技術動向予測，意思決定

S4/5 「企業戦略」導入    

(**)事例「岐路に立つヌーコア」(Nucor Corp)

NPV法によるプロジェクト評価

(**) (TM)ノート「投資プロジェクト評価」

Purposes：　目的 ケースメソッド入門II

Nucorの薄スラブ技術の導入の可否

技術の実現可能性，技術陳腐化の速度，資金調達の可否，投資採算性

投資採算性の評価方法として，NPV法

キャッシュ・フローの予測，資本コストの概念とその推定

不確実性とNPV法

シミュレーションの応用　　

S6/7 「企業経済学」導入　

意思決定方法分析　講義

ノート：「デシジョン・ツリー分析」

課題：　ノートの例題により，デシジョン・ツリー分析を解説し，実際に分析を行いし，意思決定を選択する。

論点：　Decision Tree Analysis（ＤＴＡ）の概要，特徴，限界
DTAとＮＰＶの関連：どのように併用するか。論理的に整合的か。割引率の意味。　

DTAの普及とビジネス・スクール教育　アメリカ合衆国の場合，日本の場合，KBSの果たした役割
DTAの再評価，1990年代，Package SoftwareによるDTA，医療分野への応用拡大

参考資料
James E. Smith and Robert F. Nau ，Valuing Risky Projects: Option Pricing Theory and Decision Analysis

Management Science, Vol. 41, No. 5 (May, 1995), pp. 795-816   (article consists of 22 pages)
Decision Tree  Software Classification: http://www.kdnuggets.com/software/classification-decision-tree.html

ＤＲＥＧ：　http://www.dtreg.com/?gclid=CNDKm6idrJMCFRgNewodInE_5Q

Ｔｒｅｅ Age: http://www.treeage.com/

S6/7 「企業経済学」導入　

(*)資料　R.Coase: “The Nature of the Firm”

 (**)事例「日本企業のコーポレート・ガバナンス」

課題：コーポレート・ガバナンス

経済学による企業理論　取引費用，契約理論，所有権理論，プリンシパル・エージエント理論
取引費用理論：　Coaseの論文，取引方法として，市場と企業の対比，取引費用の概念

契約理論：　契約の束としての企業という考え方

所有権理論::　所有権を重視する企業理論

プリンシパル・エージエント理論：情報の非対称性の役割，Hidden Information, Hidden Actionの意味

企業の多角化の説明

授業で言及しなかった論点

コーポレート・ガバナンスと会社法

コーポレート・ガバナンスの国際的相違

S8  組織構造   企業組織の経済学

(**)事例「松下電器産業株式会社－事業部制」

(**)事例「松下電器の事業部制マネジメント企業戦略」

http://panasonic.co.jp/company/history/chronicle/1933-02.html

課題:　事業部制の沿革

事業制の経済学

事業部制のマネジメント

S9/10 人的資源管理　人事の経済学

(**)事例「ソニー株式会社の採用・人材戦略」

（**) 資料「企業の成果主義」

(**)資料「レーシング・チームのマネジメントとMBA教育―ル・マン24時間レース総合優勝の背景―」『慶應経営論集』2006 年03 月発行