Global Business Seminar: A New Education for New Business
Emergence of A New India and Opportunities for Japan
主催： 慶應義塾大学ビジネス・スクール
2008年12 月5日(第3版)
はじめに
慶應義塾大学ビジネス・スクール(KBS)は新しい教育方法によるGlobal Business Seminarとして，『インド・ビジネス・セミナー』を，慶應義塾三田キャンパスにおいて，4回シリーズで行います。 日米インドの投資で活躍するAshok Roy氏を主講師とし，さらにインド・ビジネスで活躍する経営幹部を講師として招きます。これに慶應義塾大学等の教員が加わり，少人数フォーラム形式のビジネス・セミナーを実施します。インド・ビジネスの新しい動向に関心を持つ方々の参加を募ります。
2007年のアメリカ合衆国のサブ・プライム問題に始まった金融危機は世界経済に深刻な影響を与えています。2008年秋の世界的信用収縮はアメリカ合衆国，ヨーロッパ，日本，新興国の資本市場の変動をもたらし，ウォール・ストリートと資本サービス市場は根本的変化を迫られています。その中でn日本企業は，野村證券がLehman Brothersの資産を取得，MUFJがMorgan Stanleyへ投資等のように，大規模投資を行っています。これらの出来事は，世界の経済パワーバランスを劇的に変化させ，それぞれ10億人の消費者を背景とする中国とインドの新興国家は，次の10年の世界経済成長の中心となると予想されます。
インド・ビジネスはこれまでの日本ではITや自動車等の一部の産業が知られるだけでした。しかし，インドでは最近数年は内需依存型のビジネスの成長が顕著です。第1に，巨大かつ多様なインドの政治経済システムを概説します。第2に，インド経済の変革と日本にとってのビジネスの機会を，ケース・スタディによって紹介します。従来のインド・ビジネスで注目されてきた自動車，ソフトウェア等にとどまらず，医薬品産業，エネルギー産業，携帯電話サービス，メディア産業，小売サービス，不動産サービス等において，短期間に世界的企業に成長したインドの新興ビジネスを取り上げます。また，その規制環境と資本市場について検討します。さらに，地政学的動向，人口，農業，インフラストラクチュア等が経済成長を妨げるリスクを含めて，ビジネス機会を検討します。第3に，国際資本市場，インド資本市場を強調し，日本の投資家の観点から各事業の資金調達を検討します。
スケジュールと実施場所
2008年 12月5日(金), 19日(金), 2009年1月9日(金), １6日(金), いずれも18:30-21:00
慶應義塾大学大学三田キャンパス東館，グローバルセキュリティ研究所 4F教室
〒108-8345 東京都港区三田2-15-45 TEL：03-3453-4511（夜間連絡：03-5427-1699）, http://www.keio.ac.jp/ja/access/mita.html
受講者
インド・ビジネスの新しい動向に関与し，興味を持つ『ビジネスマン・投資家』, 『政策担当者，専門家，教師』, 『ビジネス・スクール他の学生』
募集人数は全体で30名，上記の3グループをそれぞれ3分の1の比率で募集します。
新しい教育方法
このセミナーではインドと日本の双方から，著名な投資家，ビジネス・リーダーを講師として招きます。しかし,本セミナーは単なるインド紹介セミナーや企業事例紹介セミナーではなく，次の特長をもつ教育セミナーを目的としています。第1に，インド・ビジネスに深く関わるビジネスマン・投資家，教員，政策担当者，研究者，ビジネス・スクール等の学生による少人数のフォーラムを形成します。これらの多様な背景の参加者がビジネス・リーダーの洞察を共有し，問題を相互に検討します。第2に，講義，ケース・スタディ，専門家による討議の組み合わせによって，セミナー参加者はインド・ビジネス最前線の優れた知見を直接に得るとともに,貴重な洞察を得て，ビジネスの機会を知ることができます。第3に，本セミナーは，ビジネス・スクール等で教育を受ける若手ビジネスマンの参加も募り，将来のグローバル・ビジネスを担う人材教育も課題としています。
セミナー講師
慶應義塾大学ビジネス・スクール招聘講師
Ashok Roy (Founding Partner of indiaSTAR Fund and Senior Advisor to Wasserstein India Fund)
Guest Speakers： Ajay Relan - ex-Managing Partner of Citigroup's investment arm in India (CVC), invested $2B over last 7 years.
Takashi Aragane - Chairman of Nikko Principal Investments, Japan
Takashi Kodama- Head of Emerging Markets Research Investment Strategy Department, Daiwa Institute of Research Ltd.
Yasushi Hatakeyama-President of Lazard
招待教員
Aftab Seth，Professor- Keio University, former India’s ambassador to Japan,Chairman of the Japan India Partnership Forum
Tsuneo Yahagi - Emeritus Professor, KBS, Strategy
Norio Shibata- Emeritus Professor, KBS, Accounting
Yukikazu Natori-Professor, Tokyo Institute of Technology
Kosaku Yoshida, Emeritus Professor, California State University, President Joy-of-Work Promotion Association
Takeshi Yamamoto-Lecturer, Iwate Prefectural University, Finance
参加教員
Tomofumi Anegawa - Professor, KBS, Economcs
Naoto Watanabe - Professor, KBS, Organizational Behavior
使用言語
英語と日本語 : 主招聘講師のAshok Roy氏は英語，日本語双方を使用します。講義は英語，討議部分では英語と日本語を併用。他の講師は英語あるいは日本語を使用します。KBS教員は日本語を使用して，クラスの講義・討議を支援します。
セッションと内容
第1回 12月5日（金） 『Opening, インド・ビジネスの概観』
Opening Remarks by Professor Aftab Seth
10億人の消費者を擁し，急成長と実現しているインドの政治経済システムをビジネス，投資に必要な背景に限定して概説し，問題を検討します
Guest Speaker: Takashi Kodama, “ Emerging Markets & India -- Impact of Credit Crisis and macroeconomic trends for 2009-10”
第2回 12月19日（金） 『企業事例 Ｉ 』
事例1 Bharti Airtel
成立7年後に世界最大の規模に成長した携帯電話通信業者を取り上げ，それがどのように成長したか，今後どのようにして，基本サービスから，洗練された各種サービスを付加するかを検討します。
事例2 Bennett & Coleman
世界最大の販売部数の英字経済新聞Times of India発行企業であり，Economic Timesを発行する企業を取り上げ，メディア，インターネット，エンターテインメント産業，投資銀行への参入について検討し，日本企業にとってのビジネス機会を考えます。
Speech： Takashi Aragane “Investing in Asia over medium term”
第3回 1月9日（金） 『企業事例 II』
事例3 Suzlon
風力エネルギーの世界的企業を取り上げ，インドのエネルギー，また原子力エネルギーについて検討します。産業を検討し，どのように新興企業が，市場リーダに成長したかを検討します。
事例4 Ranbaxy
インド有数の医薬品研究企業，2008年に第一三共による企業取得に同意した同社を題材にして，医薬品産業とM&Aについて検討します。
Yasushi Hatakeyama, President , Lezard, “TBA”
第4回 1月16日（金） 『総合』
今後5年のインド・ビジネスについて，不動産，農業製品，消費財について検討し，それに日本企業がどのような役割を果たしうるか，とりわけ，資本，無形資産における日本の貢献について検討します。
参加料
教材実費・軽食飲食費として4回全体で40,000円
学生ならびにKBSセミナー受講生には割引適用があります。各自事務局に申し込みフォームにて割引料金についてお問い合わせください。
申し込み方法
ホームページの申し込みフォームを返信するか，印刷した申込書 (http://anegawa.kbs.keio.ac.jp/seminar/)，または下記フォームをFaxで返送ください。
事務連絡
慶應義塾大学大学院経営管理研究科 姉川知史 （Program Coordinator）
223-8526 横浜市港北区日吉4-1-1 (協生館) (注意: セミナー実施場所とは異なります)
Tel. 045-562-1185, Fax. 045-562-3502，Tel. 045-564-2015(直通)， e-mail: anegawa＠kbs.keio.ac.jp