慶應義塾大学大学院経営管理研究科
統計的方法論II (Statistical Method II)
2008年度2学期 2008年10月版
担当講師 姉川知史
山本健 (岩手県立大学総合政策学部講師)
講義要綱
本講義は次の目的を持つ。第1は,ビジネス実務において必要となる基本的な統計的手法さらにはデータ分析手法を学生が理解し,それを実際に利用できるようにすることである。第2は,中級,上級の科目,修士論文作成に必要となる統計的手法,データ分析手法の学習の準備をすることである。 授業内容は3つの内容で構成する。第1は,統計的方法論Iで履修した初等統計学の復習を行い,計算問題を実際に解くことを強調する。第2は,「計量経済学(econometrics)」,とりわけ回帰分析についての講義を行う。第3 は,コンピュータ・ソフトウェアを利用して各種のデータ分析,統計分析を実際に行う。エクセル,STATA10,crystal ball等の使用方法を学習する。
カリキュラム上の位置づけ
統計的方法論Iにおいて,確率論,統計理論を学習したことを前提にする。そこでは計量経済学の入門レベルについては詳しくは説明されない。そこで統計的方法論IIでは回帰分析等の計量経済学について,詳しく説明する。また,統計的方法論IIでは,自分で計算問題を実際に解くことによって,概念を学生が自在に使用できるようにする。さらに,エクセルやStata10等の統計パッケージ・ソフトウェアを利用する。本科目の後続の統計的方法論IIIはこの科目で履修した統計パッケージ・ソフトウェアを使って,本格的な応用分析を行う。また,Crystal Ballを使用したシミュレーション分析を実施する。本科目の内容は入門レベルの内容に限定する。統計学に関するより高度の内容については,「応用統計学」等の別途の科目で提供される。さらに因子分析,データマイニング等はマーケティング科目,因子分析等は組織,人的資源管理等の科目で提供される。財務データの統計的分析は財務関連の専門科目で提供される。中級,上級レベルの統計学を学習したい学生は長期計画に基づいてこれらの科目履修を薦める。 履修条件 統計的方法論I 既習者が望ましい 教科書 授業説明会の学生の希望を考慮して次の教材を指定する。
教材1 P.G.. Hoel 第2章『初等統計学第4版』培風館 要購入
教材2 吉田耕作『直感的統計学』 参考書
統計パッケージ
Stata10 OSに応じて,簡易版からフル装備版,1年契約から永年ライセンスの区別がある。学生個人のOS,希望に即して,日吉生協でアカデミック割引を利用して,各自申し込みをする。昨年はWindows Vista使用の学生についてはinstallの問題が生じたが,今回はvistaにも対応済みとある。生協で確認した上で注文してほしい。推奨は,Stata 10/IC あるいはSmall Stata のgradplan 1年ライセンス
Office hour 姉川:授業日の18:00-19:00
評価 宿題,試験50%,統計分析リポート50%
授業用の連絡網としてe-groupを使用する。http://groups.google.com/group/kbs_mba_2008_stat2?hl=en また,授業用HPとして次を使用する。:http://www.kbs.keio.ac.jp/anegawalab/ 授業は進行状況に応じて,変更するため,最新授業内容は上記HP, e-groupによる指示を確認すること。