電気通信事業のマーケティング戦略

 

M19 柴田 俊一



 昨今の規制緩和の影響で、電気通信市場における競争がし烈化している。今後、他の事業者との差別化を図るためにも、これまで以上にマーケティング戦略の重要性が高まるだろう。

 本研究では電気通信事業を通話を提供するサービス業であると捉え、サービス業のマーケティングの観点から電気通信事業者のマーケティング戦略を見直した。また、それと関連して、消費者行動分析の手法の一つであるコンジョイント分析を用い、ユーザーが事業者を決定する際にどのような属性を重視するのか分析し、その結果をもとにしてユーザーのセグメント化を行った。

 その結果、料金以外の要因を重視するグループも存在することが明らかになり、魅力的なサービスの開発と提供が差別化の重要な要因となりうること、そして事業者としては常にユーザーのニーズを理解すべく調査・研究に注力しなければならないことが再確認できた。

 本研究による価格以外の要因による差別化を、電気通信事業者が図ることができれば、有効なマーケティング戦略になりうるものと確信している。