セルフサービスのガソリンスタンドにおける消費者の店舗選択分析
M20 岩崎博償
スーパーをはじめとする異業種の参入による低価格競争の激化、運転免許保有者の拡大や自動車の普及率向上による消費者ニーズの多様化、そして相次ぐ規制の緩和により、ガソリンスタンドを取り巻く環境は激変している。
従来ガソリンスタンド業界は、様々な規制の影響もあって供給者側の論理で戦略を立て、それを消費者に押し付けてきたきらいがある。しかしながら、消費者の車に対する価値観や使用シーンが変わっていく中、ガソリンスタンドが求められるものも変わりつつあるといえよう。このような変化の中で、消費者の視点から日本におけるガソリンスタンドのセルフ化戦略を構築するのが本研究の目的である。
分析の結果、セルフスタンドの選好度によって消費者を5つのグループに類型化することができ、これらが自分の車に対する愛着度と関連がある事がわかった。また、ガソリンスタンドの変更価格差における類型化においても、3つの需要特性を持つグループを見出し、これら2つの類型化を統合する事でセルフのガソリンスタンドが標的とすべき市場が明らかになった。
これを受け、標的市場である「LOYALIST」と「PRICE SEEKER」を集客するためには、給油のスピーディーさを追及すること、女性客の不安を解消させること、そしてフルサービスのガソリンスタンドとの価格差を2円にすべきであることなどを提言した。