オンライン・ショッピングに対する財の適合性に関する考察

 


 近年におけるインターネットの急速な普及に伴い、日本においても数多くの企業がオンライン・ショッピングに取り組んでいるが、成功を収めた例は少なく、オンライン・ショッピングの成功・普及が日本においては進んでいないという状況にある。
 本研究では、オンライン・ショッピングに本来適していない財がインターネット上で取り扱われている可能性に着目し、オンライン・ショッピングに対する財の適合性がどのように規定され、その適合性の高い財とはどのようなものなのか、という点を明らかにする事を目的として取り組んだ。

 また、上記の点を明らかにする為、オンライン・ショッピングにおいての先進国である米国の事例を研究し、その分析を通じて、顧客が財を購入するにあたり必要とする情報を理性情報と感性情報とに分類して定義し、この二つの情報に対する重視度を用いて、オンライン・ショッピングに対する財の適合性を規定する事を目指し、この点の検証の為に消費者に対するアンケート調査を実施した。

 その結果、オンライン・ショッピングに対する財の適合性は、顧客が商品を購入するにあたり必要とする、理性情報・感性情報と、財の持つ特性である合理性と同一性、購入店舗選択にあたって重視される経済性によって規定される事が明らかになった
 また同時に、オンライン・ショッピングに対して高い適合性を持つ財は、その特性から複数のグループに分類される事も明らかとなった。