日本型高級ブランドのつくりかた

―国内消費者に支持されるブランド・マネジメントとは?―

 

M29 大原 基秀

 


 製造業において、日本企業は世界に誇る技術とものづくり力を有しているのに、なぜ高級感を生み出せないでいるのか。本文は、主に女性のハンドバッグを対象に、この「高級感」というキーワードを軸に、日本の企業戦略の今後の在り方について一石を投じるものである。

 本文は、次の4章で構成されている。
 まず、第1章において、日本におけるバッグ・革小物の市場規模の推移やその中でのインポートマーケットの動き、各主要国のキログラム単価など、市場全体で起きている現象を考察することから始める。
 第2章では、日本の女性消費者による海外ブランドの購買状況や、各ブランドに対するイメージといった消費者の実態を把握する。
 そして第3章では、そうした現象や実態の裏でいかにして高級なイメージが生まれるのか、海外ブランドを事例にそのメカニズムを分析する。
 最後に、第4章で日本のブランドについても検証しながら、高級ブランドを生み出せない背景や障害となっている要因を探り、それらを克服するためにはどうするべきかを提言する。