成功する新製品開発のきっかけ

‐成功事例を通してみる新製品開発の
アイデア創出・抽出、コンセプト決定のパターン分析‐

 

M29 光田 悠

 


 現代の世の中は様々な製品で溢れ返っている。数多くの製品が発表されては厳しい競争の中消えていく。そんな中で消費者の心を捉え、ヒット製品と言われるようなものも存在する。このような製品はどのようにして生まれてくるのか。何故ある新製品はヒットするのか。その新製品のアイデアやコンセプトはどのように見出されるのか。そしてそれはどのようなプロセスを経て売れるような製品となっていくのか。こういった新製品が生まれるまでのプロセスがどのようになっているのか、そしてそこに共通の要素やパターンがあるのだろうか。これらの疑問を少しでも明らかにして行くことがこの論文の主旨である。
 新製品開発の中でもその開発の原点となる、アイデア創出、またそれらの抽出とコンセプトとなるまでの経路は新製品を開発する際に大変重要なステップである。このアイデア創出だけを見ても新製品は消費者の声をヒントに生み出されることもあれば、技術革新によって製品化されることもある。このように新製品開発プロセスには決まったやり方がなく、また必ずしも成功するプロセスというのは明らかではない。そこで、新製品開発の進め方を過去にヒットを飛ばした新製品の開発事例と理論とを比較することで明らかにする。まずは従来の研究を基に新製品開発のプロセスを理解する。次にこの理論を尺度として近年成功したと言える、ヒットを飛ばした製品の開発プロセスに当てはめてみることで、現代における成功するための新製品開発プロセスの特徴やヒントとなるものが何であるかを探っていく。