KBS REPORT Vol. 22E10 広報委員 林 祐吉8│よるビジネスモデルの検証結果を説明し、講評をいただきました。各グループともスリランカの経済発展をサポートし得る提案であるとして、高い評価をいただきました。 スリランカは26年に及ぶ内戦と2022年の経済破綻という過酷な歴史を乗り越え、今再び成長に向けて歩み出しました。今回訪れた多くの学生にとって初めての渡航となる中、フィールドワークを通じてこの国の持つ文化の素晴らしさや教育水準の高さ、勤勉で心優しい人々の姿を肌で感じることができました。一方で激しい貧富の格差など、解決すべき課題も認識することができました。 ビジネススクールの学生として、新規海外ビジネスを具現化する体験や国際感覚の醸成を図る貴重な経験となりましたが、それと同時にスリランカの人々にとっての幸せとは何か、我々はそれに対して何の貢献ができるのか、深く考えさせられる大変貴重な1週間となりました。 各チームのビジネスプランと成果は以下の通りです。チームA:自動車関連事業 海外への人材流出と外貨獲得を課題として取り組みました。自動車に対する高い関税や輸入禁止措置により発展した自動車修理技術や、無償の高等教育による豊かな工学系人材を活用するアイディアについてモラトゥワ大学や職業訓練学校、政府機関、企業の方々と議論し、必要なスキームやパートナーの可能性を見出しました。チームB:観光関連事業 豊かな観光資源を持つスリランカへの観光客誘致施策として、エコシステムの確立とアプリを活用した活性化のアイデアについて検証しました。スリランカのトップ大学であるコロンボ大学、観光局、観光業企業、アーユルヴェーダ提供施設、現地IT企業などを訪問し、ビジネスプランを最終化しました。チームC:再生エネルギー(再エネ)関連事業 紅茶産業の維持拡大、再エネの活用、外貨獲得という課題でプランを策定し現地に臨みました。紅茶局、再エネ事業会社、茶畑の観光業化に取り組む不動産会社、茶畑労働者、再エネを活用している生花会社などを訪問し、ビジネスプランについて議論し、現場の実情を入れ込んだプランを作り上げました。チームD:ヘルスケア関連事業 同国の栄養バランスの偏りや運動不足が原因で生活習慣病の罹患率が高いことに着目し、気軽に運動を行えるジム関連のビジネスモデルを提案しました。同国最大のコングロマリット企業、スポーツジムチェーン、不動産会社などを訪問し、提案内容のポテンシャルを確認しました。EMBA1学期授業科目「海外フィールド」の一環としてスリランカでフィールドワークを行いました 2024年7月27日(土)から8月3日(土)の8日間、EMBAプログラム設置科目の一つである「海外フィールドA」の集大成として、担当教員の後藤励教授と29名の学生がスリランカへ渡航し、フィールドワークを行いました。本科目は国外市場での事業開発能力とそれに関連する多様な国際的センスを体得することを目的としています。受講生が4つのチームに分かれてスリランカの歴史、文化、政治、経済などの調査を基にビジネスモデルを検討し、現地訪問前までの約3ヶ月間、関連する企業や団体、大使館等との打合せを行いながら、アイディアを具体化させていきました。 初日はコロンボ市内を見学しました。コロンボフォート駅周辺の市場や商店を視察し、生活の様子を垣間見ることができました。その後、高層ビルやショッピングモール、開発中のポートシティがあるエリアにも立ち寄り、経済的な格差を目の当たりにしました。 2日目は全員でスリランカ投資局 (BOI: Board of Investment) を訪れ、渡航前に作成したビジネスモデルの説明をチーム毎に行いました。各チームのアイディアに対し、非常にポジティブなフィードバックとアドバイスをいただきました。その後チーム毎に分かれ、フィールドワークを実施しました。 最終日の金曜日には再びBOIを訪れ、最終報告を行いました。フィールドワークにKBS Life07
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