2014年度KBS公開講座 第5回「消費者行動とブランド・マネジメント」(坂下玄哲准教授)
KBS公開講座シリーズ 第5回 開催報告
10月17日、今年度第5回慶應義塾大学ビジネス・スクール公開講座、坂下玄哲准教授による講演「消費者行動とブランド・マネジメント」が、同大学三田キャンパス北館ホールで240名を越える満員の参加を得て開催されました。
まず、現代日本における市場では製品やサービスの多様化が活発に行われており、そのメリット・デメリットが、市場・競争・流通・組織という切り口から説明されました。その結果、「いかなるアプローチによって多様化を実現するか」によって、その後のマーケティング成果、特にブランド強化という側面においてさまざまな違いが生じる可能性について問題提起がなされました。その上で、講演は多様化の一つである「ブランド拡張」に話題が移ります。ブランド拡張にはライン拡張とカテゴリー拡張のあることが実例を用いて説明され、それぞれの長所・短所が論じられました。
次に、我が国においても非常に活発に採用されているライン拡張戦略に関する詳細な説明に移りました。「ライン拡張の誘惑」と題し、なぜ現実の消費財企業がライン拡張に走ってしまうのか、その理由が解説されました。さらに、効果的にブランドを強化するためのライン拡張のあり方に関する指針を得るために、実在するオリジナル商品とライン拡張によって発売される架空の新製品を用いた消費者実験に基づく研究成果が紹介されました。具体的には、オリジナル製品に内在する2つの特性、①競合製品に対する「差別化」の度合いと②製品としての「定番性」によって、ライン拡張でどのような新製品を投入するとオリジナル製品に肯定的なインパクトを与えることができるかについて解説されました。
質疑応答では、実際の店頭で消費者が新製品を消費できる場合は異なる結果が得られるのではないか、ライン拡張で新製品を投入する最適タイミングを導き出すことは可能かなど、実務に直結した活発で興味深いやりとりが行われ、参加者からはポジティブなフィードバックをいただきました。
公開講座シリーズは、KBS教授陣が最先端の経営学研究の成果を広く社会にお届けし、実際のビジネスシーンで役立てていただくことを目的として全7回にわたり開催予定です。各回の詳細情報は順次HPにて掲載してまいります。皆様のご参加をお待ちしております。
※開講日の約1か月前よりKBSホームページ上にて申込受付を開始します。
※いずれも参加費は無料です。
※満席となり次第、申込受付終了をさせていただきます。
開催概要
名称 |
第5回 坂下 玄哲 准教授 「消費者行動とブランド・マネジメント」 |
---|---|
日時 | 2014年10月17日(金)19:00~21:00(18:30開場) |
会場 | 慶應義塾大学 三田キャンパス 北館ホール 会場アクセス |
参加費 | 無料 |
定員 | 200名 |
担当講師

坂下 玄哲
慶應義塾大学大学院経営管理研究科 准教授
1999年神戸大学経営学部卒業、2001年同大学大学院経営学研究科博士前期課程修了(修士(商学))、2004年同後期課程修了(博士(商学))。上智大学経済学部経営学科専任講師を経て、2007年より慶應義塾大学大学院経営管理研究科准教授となる。
お問い合わせ
慶應義塾大学ビジネス・スクール イベント運営事務局
※お問い合わせ時間 平日9:00~17:00
〒223-8526 横浜市港北区日吉4-1-1
慶應義塾大学協生館 5階委員長室
Tel: 045-564-2020 Fax: 045-562-3502
E-mail:event@kbs.keio.ac.jp