「消費の個別化とマーケティング戦略」
『AD STUDIES』、Vol.12 Spring、吉田秀雄記念事業財団、(2005年)
1.はじめに
消費の個別化やそれを踏まえた個別対応のマーケティングの議論が盛んである。
ただ、消費の個別化に対応したマーケティングといったとき、そこで想定される内容は、例えば、大量生産を行う消費財メーカー、独自カードを発行している百貨店、銀行などの金融サービス企業では、かなりの違いがある。そうしたなかで、個別対応の消費者向けマーケティングは、従来は流通業やサービス業を想定して語られることが多かった。
しかし、消費の個別化なる現象が進行しているとするならば、大量生産のメリットを享受している消費財メーカーも、その影響から逃れることはできない。
本稿では、こうした認識から、消費財メーカーのように、多数顧客を標的とするメーカーを主に念頭において、消費の個別化が進行するなかでのマーケティング戦略のあり方を検討する。
2.マーケティングと市場細分化
3.少衆、分衆の時代とその後
4.製品種類多様性とバリュー・フォー・マネー
5.製品ライン戦略の課題
6.市場細分化の戦略トライアングル
7.流通チャネルにおける戦略シンクロナイジング
8.むすび