
- ケースメソッド教育(case method of teachingまたはcase method of instruction)は、ハーバード大学ロースクールで始められた「判例(case)に基づいて討論していく授業方法」を起源に持ちます。
- 法廷での弁論を前提とした教授法であったケースメソッドを同大学ビジネス・スクールが1930年代に高度経営人材育成のための教授法として応用し、ビジネス・スクールにおけるケースメソッドの歴史が始まりました。
- その後、教育効果が広く認識されるようになり、今日では世界中のビジネス・スクールで実施されている教授法となりました。
- 経営能力は2つの大きな能力から成り立ちます。一つは実践力で、もう一つは専門知識です。これらの能力は全く異なる性質のものです。
- 実践力は、職能領域横断的に要求され、形式知として伝達することが難しいものです。そして、内面的成長による属人的な力ということができます。
- 一方、専門知識は特定の職能領域で要求され、形式知として伝達できます。そのため、教育制度を通じて広く普及させることが可能です。
- 専門知識の養成には従来のレクチャー形式の教授法で十分に対応できますが、実践力の養成はレクチャー教授法では不十分です。
- 実践的な能力を養成することが社会的にも強く求められている現在、総合的視野を培い、討議の中で受講生の能力を引き出していく教授法としてケースメソッドが極めて有効になってきています。