教育研究上の目的
経営管理研究科は個としての自立心、他の尊厳を重んずる精神、明確な使命感、卓越した見識、果敢な実行力を合わせ持つ、優れた革新的リーダーを育成することにより、経済社会の発展と進歩に寄与することを目的とする。
■ 修士課程 MBAプログラム
不確実な環境で将来を見通し、ビジョンを持って目標を定め、戦略的な意思決定を行うための経営全般に関する知識と、社会と組織を先導する使命感やマインドセットを持ったリーダーを育成することを目的とする。
■ 修士課程 EMBAプログラム
職務経験15年以上の中核人材が、週末を中心としたカリキュラムで学ぶプログラムであり、異業種・異職種の人たちが切磋琢磨し合いながら、経営の知識だけでなく、経営者としてのマインドセット、国際感覚を備え、世界的な視点、長期的視野に立って社会を先導するリーダーに育つことを目的とする。
■ 後期博士課程
経営に関する専門的な研究・教育機関において研究と教育活動に携わる研究者を養成すること、および研究・教育機関以外の専門機関において高度の専門家として活躍する人材を育成することを目的とする。
3つのポリシー
卒業認定・学位授与の方針
▼ 教育目標
慶應義塾大学の卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)を前提として、これからの時代に必要となる新たな構想を作り実現していくビジネスリーダーを育成することを目標とする。加えて、教育課程において定める所定の要件を満たした学生に対し、MBA(修士(経営学))の学位を授与する。
▼ 資質・能力目標
(1) 不確実な環境下で組織が果たすべき役割のビジョンを持って目標を定め、
それを実現するリーダーシップ
(2) 変化し続ける環境下で新たなビジネスモデルを構想し、実現する力
(3) 経営に必要な専門知識
(4) 高い倫理観と社会や公共性に対する高い意識
(5) 多様なバックグラウンドを持つ人々と共に活動する力
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
▼ 教育課程の編成
修士課程MBAプログラムは、「卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」に掲げる資質・能力を養成するために、 1年次に、経営に関する8つの領域に分かれた必修の基礎科目を配置する。加えて1年次後半以降に自分の必要に応じて選択可能な専門科目を配置する。2年次には、いずれかの教員のゼミナールに所属し、1年間をかけて修士論文を作成する。
修士課程EMBAプログラムは、「卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」に掲げる資質・能力を養成するために、1年次に、経営に関する8つの領域に分かれた必修のコア科目を配置する。2年次には自分の必要に応じて選択可能な専門科目、ビジョナリー科目や個人研究科目を配置する。
▼教育課程の実施
この教育課程の編成のもと、主たる教育方法として「ケースメソッド」と呼ばれる実践的な経営教育方法を採用する。「ケースメソッド」とは実際の企業や組織が直面する経営課題や経営状況をまとめた事例を素材に、ディスカッションを通して新たな知見を共創する授業形式である。加えて、修士論文指導、英語による授業、対話を中心とした授業、実際のビジネス上の課題に対する解決策を検討するフィールドワークなどの教育法を組み合わせて教育を実施する。
▼学修成果の評価方法
経営管理研究科の教育課程により修得すべき資質・能力目標に対する学修成果の評価は、全塾としてのアセスメントプランの考え方のもと、各科目において定める成績評価基準等に基づいた直接的な指標により行われるほか、入学時および修了時に実施する学習目標とその到達度についてのアンケートや調査等を含めた定量的・定性的、直接的・間接的な指標を用いて評価される。
▼ 資質・能力目標と教育内容との関係
(1) 不確実な環境下で目標を実現するリーダーシップ
多くの授業は実際の企業や組織が直面した経営課題を素材にした教材に基づいて行われており、自分がリーダーだったならばどのように行動したのかを授業では問われる。このことを通して、自らのリーダーシップを高める。
(2) 変化し続ける環境下で新たなビジネスモデルを構想し、実現する力
修士課程MBAプログラムでは修士論文の作成、修士課程EMBAプログラムでは個人研究を通して、学んだ様々な知識を統合し、ビジネスモデルを構想する力を高める。
(3) 経営に必要な専門知識
経営に関する8分野(会計、財務、情報・意思決定、組織・マネジメント、マーケティング、生産、経営環境、総合経営)からなる基礎科目・コア科目を通じて、経営に欠かせない知識を習得し、専門科目を通じてそれぞれの必要に応じた専門知識を獲得する。
(4) 高い倫理観および社会や公共性に対する高い意識
基礎科目・コア科目、専門科目における社会的課題事項の解決をめぐる議論を通じ、倫理及び社会的責任に関する諸問題に適切に対応する力を養う。
(5) 多様なバックグラウンドを持つ人々と共に活動する力
交換留学や交換留学生と共に受ける授業を通じて多様な価値観および文化を理解し、受容できる国際感覚を養う。また、国際比較研究の視座を通してグローバルな企業経営に必要な視点を理解する。さらに、授業内のディスカッションやプレゼンテーションを通して、他者に自らの考えを明確に伝え、共感を生むコミュニケーション能力を高める。
入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)
▼ 求める学生像
(1) ビジネスやマネジメントに対する強い問題意識
(2) 明確なキャリアプラン
(3) 高度な専門知識を習得するために必要な思考力、分析力
▼ 選抜の基本方針
このような入学者を幅広く受け入れるため、修士課程MBAプログラムでは、(1) 一般 (2) 企業派遣者対象、修士課程EMBAプログラムでは、(3) 所属する企業・団体等の推薦に基づく出願方式A (4) 個人の出願である出願方式Bにより選抜を実施する第一次試験では出願書類についての選考(書類審査)を行い、第二次試験は第一次試験に合格した者を対象に筆記試験と面接試験を行う。
書類審査では、志望理由やキャリアプランを中心に確認し、筆記試験では入学後において履修を求められる科目の内容を十分理解・修得し、それらについて高い学習成果を収めうる潜在能力を確認するため、基礎能力、および一般教養に関する知識を総合的に評価する。面接試験では、個別面接によって上述の潜在能力を総合的に評価するとともに、日本語を第一言語(母語)としない受験生に対しては、日本語能力を確認する。修士課程EMBAプログラムについては、上記に加え、将来の経営を担う中核人材となるにふさわしい問題意識や見識、洞察力が備わっているかを確認する。
(1) 修士課程MBAプログラム・一般
書類審査、筆記試験および面接試験を行う。
(2) 修士課程MBAプログラム・企業派遣者対象
書類審査、筆記試験(任意)、面接試験を行う。所属する企業・団体等の推薦を受けての出願につき、筆記試験は希望者のみに対し実施し、面接試験により基礎能力、および一般教養に関する知識を総合的に評価する。
(3) 修士課程EMBAプログラム・出願方式A
書類審査および面接試験を行う。所属する企業・団体等の推薦を受けての出願につき、面接試験により基礎能力、一般教養に関する知識および上述の中核人材となるにふさわしい資質を総合的に評価する。
(4) 修士課程EMBAプログラム・出願方式B
書類審査、筆記試験および面接試験を行う。
卒業認定・学位授与の方針
▼ 教育目標
慶應義塾大学の卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)を前提として、これからの時代に必要となる新たな構想を作り実現していくビジネスリーダーを教育すること支える経営分野での先端的な研究を進める研究者を育成することを目標とする。加えて、教育課程において定める所定の要件を満たした学生に対し、博士(経営学)の学位を授与する。
▼ 資質・能力目標
(1) 現実のビジネス、経営全般に渡る広範な素養 (2) 変化し続ける環境下で新たなビジネスモデルを構想し、実現する力
(2) 世界一線級の研究成果を実現しうる専門分野での高度な研究能力および教育能力
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
▼ 教育課程の編成
後期博士課程は、8つの研究教育分野を柱として構成し、「卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」に掲げる資質・能力を養成するため、経営管理に関する選択制の専門科目、フィールド・リサーチとそれに基づくケースと呼ばれる教材の開発と事例研究論文の作成を中心とする特別実習科目および指導教授による学位論文の指導とその基礎となる理論研究、事例調査、各種演習を内容とする特別演習科目を配置する。学生は8つの研究教育分野から自分の研究領域を1つ選択したうえで上記の授業科目を履修し、選択した研究領域の総合試験を受験し合格したうえで、博士論文を作成する。
上記に加え、本研究修士課程修了以外の入学者にケース教材を用いた授業を体験させることを目的とし、指導教授が必要と認める場合に本研究科修士課程の諸科目から選択履修するケース学習前提科目を配置する。
▼教育課程の実施
この教育課程の編成のもと、研究指導、ケース教材の執筆などの教育法を組み合わせて教育を実施する。
▼学修成果の評価方法
経営管理研究科の教育課程により修得すべき資質・能力目標に対する学修成果の評価は、全塾としてのアセスメントプランの考え方のもと、各科目において定める成績評価基準、総合試験の成績等に基づいた直接的な指標により行われるほか、調査等を含めた定量的・定性的、直接的・間接的な指標を用いて評価される。
▼ 資質・能力目標と教育内容との関係
(1) 現実のビジネス、経営全般に渡る広範な素養
分野ごとに設置された専門科目の履修を通じて、経営領域全般に渡る広範な素養を獲得する。
(2) 世界一線級の研究成果を実現しうる専門分野での高度な研究能力および教育能力
博士論文の執筆を通じて専門分野での高度な研究能力を、また、ケース教材の執筆を通じて教育能力を獲得する。
入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)
▼ 求める学生像
(1) ビジネスやマネジメントに対する強い問題意識
(2) 高度な研究に必要な思考力、分析力
(3) 高度な専門知識を習得するために必要な思考力、分析力
▼ 最新の研究成果を理解し、発信するための語学力
このような入学者を幅広く受け入れるため、後期博士課程では書類審査と口頭試問による選抜を実施し、教育研究上の目的に適う資質、潜在能力および十分な勉学意欲並びに問題意識が備わっているかを総合的に評価する。