後期博士課程 概要

目 的

慶應義塾大学大学院経営管理研究科後期博士課程は、高度な経営学識を有する実務専門家や大学等研究機関の教育者・研究者の育成を目的として、1991年4月1日に設置されました。

本研究科後期博士課程の母体である大学院経営管理研究科修士課程は、学部を併設しない独立大学院として1978年に発足し、以来毎年およそ100名の経営学修士(MBA)を世に送り出しています。その間、経営管理の実践的専門家を養成する高等教育機関として、社会の期待に応える日本最高のレベルを保ち続け、現在では日本の産業界および教育界にその存在が着実に認知されつつあると考えています。

しかし、経営管理の調査・研究の専門機関(たとえば民間や公共の経営研究所、シンクタンク、コンサルティング会社)等においては、さらに高度で実践的な学問研究の担い手を求める声が近年高まっています。また、日本の中に専門職大学院のようなビジネススクールや経営学の学部・研究科が増える中で、ビジネス・マネジメントを教育できる人材へのニーズも高まっています。にもかかわらず、経営実務における専門家を目指す人に必要な研究の場は決して多くありません。博士の学位を授与することの可能な課程を設けている、経営領域の大学院(いわゆるビジネス大学院)はごく僅かです。ビジネス教育へのニーズの高まりに応じて、ビジネス大学院の拠点数は(同種の目的をもつ高等教育機関も併せて)増えていますが、教育・研究に従事する高度な専門家の育成について、十分な環境が整備されているとは言えないのが実情です。

このように、高度専門教育体制が極めて不十分な状態にあるという認識のもとで本研究科後期博士課程が設置されました。本研究科修士課程において、各専任スタッフは、ケースメソッドを中軸とした実践的教育ノウハウと、多くの研究業績を積み重ねてきました。われわれは、わが国におけるビジネス大学院の先駆けとして培ってきた四半世紀の経験をベースに、より複雑な問題の解決に資する、高度な研究能力と、その基礎となる学識を備えた人材を育成することを目標としています。経営領域全般に渡る広範な素養と、それをベースにした専門分野での研究・教育能力を備え、理論と実務の両方に貢献できる高度専門研究者を輩出していくことが、日本における経営学の発展のために、さらには日本の経済・社会の発展のためにも、極めて重要であります。こうしたニーズをいち早くつかみ、産官学各界からの要望に応えていくことが、本研究科後期博士課程が目指している使命であります。

上述の目的に適う資質のある学生であれば各自の出身大学大学院修士課程の専攻分野を問わず受験することが可能ですが、十分な勉学意欲と問題意識を持つことが受験および課程修了に当たって強く求められています。

ディプロマ・ポリシー

本研究科の定める履修・修得の条件を満たし、かつ研究上必要な指導を受け、総合試験に合格し、プロポーザルを作成、さらに学位論文の審査並びに最終試験に合格した者に対し、博士(経営学)の学位が授与されます。総合試験まで合格した者を課程終了(Ph.D.Candidate)とし、その認定を証明書として発行しています。博士学位は、入学後6年間の内に課程博士として取得することが求められています。

カリキュラム・ポリシー

より複雑な問題の解決に資する、高度な研究能力と、その基礎となる学識を養うカリキュラムです。
カリキュラムは、8つの【研究教育分野】を柱とする構成をとっています。
8つの【研究教育分野】から自分の研究領域を1つ選択し、経営管理に関する専門科目を履修することに加え、ケースと呼ばれる教材を自ら作成すること、選択した研究領域の総合試験を受験し合格することが、博士論文に着手する要件となっています。

アドミッション・ポリシー

本研究科後期博士課程は、経営に関する専門的な研究・教育機関において研究と教育活動に携わる研究者を養成すること、および研究・教育機関以外の専門機関において高度の専門家として活躍する人材を育成することを目的としています。
上述の目的に適う資質のある学生であれば各自の出身大学大学院修士課程の専攻分野を問わず受験することが可能ですが、十分な勉学意欲と問題意識を持つことが強く求められています。

ナビゲーションの始まり