2023年08月08日

【MBA】2023年度村上ゼミ活動報告

 2023年7月12日から3日間、村上ゼミの夏合宿を福岡県にて行いました。スタートアップ企業2社や九州大学への訪問を通じて、KBSの教育の場と同様、実務と体系的知識の融合を体現した合宿となりました。

 訪問先の1つ、経済産業省がグローバルに活躍するスタートアップを創出するために選定する"J-Startup KYUSHU"に2022に選出された「ニューワールド株式会社」の井手康博社長とのセッションからの学びをご紹介します。

 ニューワールド株式会社は「日本ブランドを世界No.1にする」ことを目指して設立され、動画コンテンツの制作やプロモーションなど販売施策を強みとして、日本のものづくり企業の戦略立案や商品企画・商品開発、マーケティング活動などの支援を行いながら、自社ECサイトで国産ライフスタイル雑貨の販売を行っています。

 井手社長は23歳で起業し、様々な事業のピボットを経験し現在に至ります。グローバルに活躍する井手社長から得た学びは大きく3点あります。

①新規事業への想い
 起業当初はファッションのキュレーションメディア事業をしており、テレビで芸能人が着用しているファッションアイテムをまとめ、ユーザーが手軽に購入できるサイトを作成しておりましたが、芸能プロダクションから指摘を受けピボットしました。しかしながら、逆風の中でも、"コト消費"にこだわり新規事業を作り出していったことから、事業に対する"想い"の重要性を認識しました。

②日本のモノづくりの弱みに注目した着眼点
 日本の職人は"良質なモノ"は作れるものの、販売のノウハウには疎く、国内販路しか持たない卸と連携している現状があります。「日本ブランド」という海外からの需要が大きいコンテンツに注目し、弱みである販売をサポートすることで事業が成立すると考えました。日本のモノづくりの強みを理解した上で、サプライチェーンに注目し、弱みに対してサポートするビジネスモデルはとても参考になりました。そして、ビジネスを通じて職人の雇用を守りつつ伝統の継承という社会課題も解決する一助になっていることは事業のあるべき姿であると思います。

③職人からの信頼の獲得
 ニューワールド株式会社は、いわゆるマーケットプレイスではなく、職人が作る商品を仕入れ在庫を持ちます。在庫を持つことにリスクはあるものの、職人から信頼を得ることができ、長い目でみると"良質なモノ"の供給安定につながります。リスクがあるから実行しないという意思決定ではなく、長い目でみると職人への信頼につながり、それが自社にとって大きなメリットになるという意思決定は、井手社長の言葉を通じて肌で感じることができました。

 お話を聞かせていただく貴重な機会をいただいたニューワールド株式会社の井手社長に心から感謝を申し上げるとともに、さらなるご活躍をお祈り申し上げます。

 2023年8月4日放送のテレビ東京「ガイアの夜明け」にてニューワールド株式会社が紹介されたので、興味のある方は以下リンクをご覧ください。
詳細はこちらより

 今回のゼミナール合宿を通じて、多くの"学び"を得るだけでなく、ゼミ生同士の絆を深める良い機会にもなりました。今後はゼミ生同士で切磋琢磨し、修士論文研究に日々精進していくとともに、学外で学びを得る機会を多く作っていきます。

村上ゼミ M45ゼミ生一同

ニューワールド株式会社 井手社長 と 村上ゼミ

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