2024年6月5日

【MBA・EMBA】特別講座「交渉学演習」開催報告

 2024年5月26日(日)、慶應義塾大学日吉キャンパス協生館にて「KBS特別講座 交渉学演習」を開催しました。
 
 本演習は、KBS設置の専門科目「経営法学Ⅱ」履修者や、EMBA三田会主催イベント「EMBA CAFE」で交渉学について学んだ有志が参加しました。KBS外からも、交渉学のコミュニティーがあるKIT虎ノ門大学院、日本IBM、関西大学、そして海上自衛隊幹部学校の関係者が参加し、総勢約25名となりました。

 「模擬交渉を通じ、交渉の成功確率を上げる方法論を学ぶと共に、継続学習者同士の交流によりお互いに学び合う機会を目指す」――。属性は違えども、目的は同じ。参加者が知恵を出し合い、切磋琢磨しました。

 演習のリード役である講師は、「経営法学Ⅱ」の担当も務める一色正彦先生と竹本和広先生が務めました。

 ケース題材は、「締め切り期日を過ぎても、依頼していた書類が来ない...」というもの。ベンチャー企業の経営者がデータ解析の研究所と共同プロジェクトを行うにあたり、メディア取材向けの書類を依頼していたものの、研究所所長から完成連絡がなく、期日を迎えてしまうというリアルな場面が設定されました。実は、研究所所長には言えなかった"ある事情"が...。時間的制約がある中、どのような交渉を行うべきか。参加者が経営者役と所長役に分かれて模擬交渉を行いました。

 模擬交渉後には、交渉戦略の手の内を明かす感想戦、その後一色先生と竹本先生よりフィードバックが行われました。感想戦では参加者の個性あふれる発言で、会場は大盛り上がりとなりました。

 参加者からは、以下のようなコメントをいただきました。

 「それぞれの立場やバックグラウンドによって、表現されないコンテキスト(意図、事実)に違いがあり、会話からそれを引き出すのに難しさを感じた。今回の模擬交渉で、相手のコンテキストを引き出すための関係構築の大切さを再認識するとともに、両者の共通利益の創出の意義についても改めて学ぶことができた」(KIT虎ノ門大学院学生)

 「様々なキャリアをもつ方と交渉でき、自身の世界の狭さや考えの浅さを改めて強く認識した。次回があれば、さらに知識や経験を積んで挑むことはもちろん、自分の強みをひとつ作って交渉に活かそうと思う」(関西大学学生)

 また、KBSの在学生からは、「授業で学んだ知識を実践できるかどうか試す良い場となった。やはり、交渉学の継続学習者は手強かった。引き続き学習することで、交渉マネジメントのスキルを向上させていきたい」との声がありました。
 
 終了後には、日吉駅付近にて懇親会を行い、参加者が所属するコミュニティーの情報交換をざっくばらんに行いました。

 印象的だったのは、この春大学生になったばかりの関西大学1年生の18歳男性。交渉学演習を受講するために、なんと1泊2日で大阪から1人でやってきたそうです。KBSで学んだ交渉学という学問をフックに、さまざまな方と出会えたことも大きな財産となりました。

 次回も、交渉学に興味を持つ多くの有志に参加して頂き、交渉学への理解を深める機会となればと思います。また、KBSの在学生やOBOGにとっても本演習を通じて、他の交渉学コミュニティーとのネットワーキングに繋がればと考えております。

KBS M46(修士2年)山本興陽

ナビゲーションの始まり