2024年8月26日
2024年7月19日(金)から21日(日)の3日間、EMBAカリキュラムの一科目として、サンノゼ州立大学 マヘシュ・N・ラジャン教授による「第一回 グローバル経営」の講義が行われました。本科目はKBSが加盟するビジネススクールの教育連携機構である「EMBAコンソーシアム」に加盟する大学や、「海外フィールド」科目を通じて交流のある大学から講師を招き、ケース討論と講義を英語で行う集中講義です。既にコア科目で履修している領域のテーマであっても、国や文化、価値観の異なる講師とのケース討論を通じて、学びを多角的に進化させることができます。毎年、異文化経営、グローバル・マーケティング、デジタル時代のラグジュアリー・ブランド・マネジメント、戦略とイノベーション等の中からテーマを選択して授業が行われてきています。単に国外の知識を伝授されることとは一線を画し、講師との討論を通じて自らの価値観を相対化し、新たな視座を見出すことを狙いとしています。
今回の初日の授業では、大手アパレルメーカーのエルサルバドルの工場を舞台にした、国際貿易における倫理的及び社会的責任に関して、経営者や消費者はどうあるべきか熱い議論が交わされました。2日目はシンガポールの船舶運輸企業と、多国籍企業を顧客に持つポルトガルの容器メーカー2社の事業拡大を目指したM&Aのそれぞれのケースを通して、国際戦略と海外マーケットへのエントリーモデルの是非について議論しました。また、英国大手の石油メジャーのロシアとの合弁企業のケースを通して、経営手法、価値観、政治背景の異なる国際ジョイントベンチャーを成功に導く事の難しさと状況に応じた経営判断についても議論しました。最終日は、国際人材マネジメント論を交えながら、米国企業の中国へのフランチャイズ進出における権限移譲とコミュニケーションの難しさがテーマでした。3日間を通じて5つのケースに取り組み、教室内では教授と学生の間だけではなく、時には学生同士の間でも白熱した議論が交わされました。自動的に最適解が導かることのない経営状況において、リーダーとしてどうあるべきか、どう判断すべきか、現場でどう活かすか、EMBA生全員が経営者目線で徹底的に考え抜く3日間となりました。
E10 岡田めぐみ
E10 後藤健太郎