2024年11月28日
10月15日(火)、林高樹教授が提案、学生有志で企画した「KBS教員向けの生成AI知識共有会」が開催され、最新の生成AIツールのデモンストレーションや学生の利用実態調査の結果共有、そしてケース授業への影響について討論が行われました。
本イベントは、KBSの教員がKBS Lifeに掲載された過去のAI知識共有会の記事を見て、最新の生成AI動向や学生の利用実態を知りたいという要望を受けて、実現に至りました。
冒頭のデモンストレーションでは、KBSのケース授業に関連する生成AIの活用例を紹介しました。Claude-3.5による企業価値計算や財務諸表分析、NotebookLMによるPDF検索など、学生の実際の使用例を説明しました。また、ZoomのAI議事録生成機能や英会話アプリSpeakなど、教育現場での活用可能性の高いツールの紹介は、具体的な授業改善のヒントとして注目を集めました。
続いて、MBAとEMBA学生を対象とした生成AIの利用実態調査の結果 を共有しました。約半数の学生がケース授業で生成AIを活用しており、主に業界情報の収集や観点の洗い出しに利用していることが明らかになりました。授業準備時間の短縮やケース理解度の向上には一定の効果が見られる一方で、ディスカッションの質の向上については明確な効果が見られないという興味深い結果が示されました。
この報告を受けて、教員から「クラス討議での活用が限定的なのは、熟考が不足しているのではないか」という指摘がありました。また、著作権への懸念や初心者向けツールの選定についても質問が投げかけられました。さらに、従来型の対面授業の重要性について問題提起があり、デジタルとアナログのバランスについて活発な議論が展開されました。
本イベントを通じて、生成AIがKBSのケースメソッド授業に与える影響について、教員と学生の双方で理解を深めることができました。今後は、生成AIを活用した教育のあるべき姿を定義することが課題として残っています。教員と学生でともにこの課題に取り組み続けたいと思います。
AI知識共有会 M46有志
フ・ジエ
田淵智子