本セミナーでは、ケースメソッドで教えるための実践的訓練を体系的に行うために、訓練の機会を2つのモジュールに分けて提供します。参加者のニーズや必要とする訓練量に応じて、2つに区分したうちのベーシック・モジュールのみを受講することも可能です。ただし、アドバンス・モジュールを受講するためには、ベーシック・モジュールを修了していることが必要です。
ケースメソッド教授法の基礎的内容を扱います。具体的には、1)レクチャー「ケースメソッド教授法概論」「討議から学ぶことの価値」「参加者を理解する」「学びの共同体を築く」、2)講師によるケースメソッド授業運営デモ、3)参加者による授業運営演習(計6ケース)、を4日間で行います。授業運営演習にはケースメソッドで教えているクラスに生じる諸課題を扱ったケースを使用します。
ベーシック・モジュールでは、参加者が4セッションを続けて受講することを前提に授業を行いますが、ケースメソッド教授法の概略が分かり、授業に参加する体験だけできればよいとお考えの方には、第1セッションのみを有料聴講していただくことも可能です。ただし、一度に聴講をお受けできるのは5名までとさせていただきます。詳しくは受講料の項をご覧ください。
ケースメソッドで教えるスキルをワンランク高めながら、別の場所で再現し、根付かせていくための方法について検討します。具体的には、1)「非指示的に教える」ということ(講師による講義とディスカッションリード)、2)組織へのケースメソッド教育の導入を主題にしたケース討議(参加者によるディスカッションリード演習×2人)、3)ケースメソッド授業のバリエーションを広げる演習(参加者によるディスカッションリード演習×2人)、4)参加者の教育活動フィールドで用いられるケース教材を使用したケース討議(参加者によるディスカッションリード演習×2人)、5)ケースライティング(講師による講義とディスカッションリード)、を4日間で行います。
なお、アドバンス・モジュールには冒頭の第1セッションのみを聴講していただく制度はありません。
※ 2004年度以降の経営管理研究科修士・博士課程自由科目「ケースメソッド教授法(特論)」の単位を取得された方は、ベーシック・モジュール優秀修了と見なしますので、アドバンスコースを受講していただけます。
※ 2023年度および2024年度の開講予定は以下のとおりです。
本セミナーは、ケースメソッド授業での教え方に関する専門的な内容を、演習を中心に繰り返し扱う高度な訓練の機会です。このようなセミナーでは参加者のコミットメントが重要となり、参加者のクラス貢献の総和が、このクラスで享受できる恩恵の総和となります。具体的に求められるものは、1)入念なケース予習、2)クラス討議での積極的な発言、3)レクチャー中の問題提起や質問、4)修了レポートの作成、5)ディスカッションリード演習へのチャレンジ、などです。このような理由から、本セミナーでは受講される方々が熱心に学び、クラスに多くの貢献をしていただくことのインセンティブとして、ベーシック・モジュールおよびアドバンス・モジュールにおいて「優秀修了証」を用意しています。これは大学院専門科目のA評価に相当するもので、大学院の正規授業として別途開講されている経営管理研究科修士・博士課程自由科目「ケースメソッド教授法(特論)」にて大学院生を評価する際の尺度を、本セミナーに参加される方にもそのまま用いて成績評価を行い、評価結果にしたがって、慶應義塾大学ビジネス・スクール ケースメソッド授業法研究普及室が授与します。(BおよびC評価に相当する方には通常の「修了証」をお出しししますが、D評価相当の方には修了証をお出しできません)
ケースメソッド教授法セミナーの2つのモジュールを受講され、いずれのモジュールでも優秀修了証を手にされた方には、慶應義塾大学ビジネス・スクール ケースメソッド授業法研究普及室が「ケースメソッド・インストラクター認定証」を発行します。この認定証は、様々な教育現場でケースメソッド授業を適切に運営するための知識とスキルの証として、慶應義塾大学ビジネス・スクール ケースメソッド授業法研究普及室が発行するものです。
慶應義塾大学では大学院健康マネジメント研究科にて、大学院修士課程の正規授業科目として、「病院経営のためのケース教育習得法」を開講しています。この科目の内容は本セミナーのベーシック・モジュールとまったく同じ教材を用いた同じ授業運営によるものであり、学外の方にもこの科目を大学院の科目等履修生として履修していただくことが可能です。
こちらは大学院の正規授業科目ですので、このサイトでご案内しているセミナーと直接比較すべきではありませんが、教室には大学院生および学外の科目等履修生が座り、そこでの学修は単位の取得に向かっています。また、履修者の大半は医療機関関係者であるために、「医療組織をマネジメントするという目的に向けて、ケースメソッド教授法を習得する」という目的意識が履修者間で共有されています。
しかしながら、参加者のフィールドは、医療であっても、ビジネス、行政、教育などであっても、営利非営利組織の成長に向けてケースメソッド教育を駆使していくことを目指す限りにおいては、このクラスにはどんなフィールドのメンバーが参加してもよく、むしろ参加者の多様性が活きる場面も実際には増えてきます。
この科目を履修されても、ケースメソッド教授法セミナー アドバンス・モジュールの受講資格が生じますので、秋の受講が好都合の方(あるいは現役大学院生と机を並べたい方、現役の医療機関経営者とともに議論してみたい方)は履修をご検討ください。
なお、大学院科目を履修される場合は、科目等履修生としての出願が必要です。履修資格、必要書類、選考プロセスがセミナー受講とは大きく異なります。出願期間は例年8月中旬で、出願時に提出すべき資料も多いので、余裕をもってご準備ください。詳しいことは下記のリンクから各自でご確認ください。ご質問やご相談がありましたら、KBSケースメソッド普及室にメールをいただいても結構です。