田中 純也

知識だけではないKBSからの学びを活かし事業承継へ


田中 純也
2016年 神田外語大学 外国語学部 国際コミュニケーション学科 国際ビジネスキャリア専攻 卒業。
新卒で工作機械の専門商社に入社。6年間営業職として働き、2022年に家業である株式会社田中組に入社。
2023年 M46期としてKBSに入学。


MBA取得を志したきっかけは?

 家業である青森県の総合建設会社を事業承継することに決め、経営者としての大局的な視点を手に入れたいと考え、KBSへの入学を志しました。

 入学前は大手総合商社の子会社である専門商社の営業職として、全国各地にあるクライアントの生産現場で機械設備の提案を行っていました。家業の社長である父には事業承継について何も話していなかったため、自由なキャリアを積ませて頂きました。しかし、商社の営業マンとしてのスキルアップを図るうちに、このまま営業のプロフェッショナルとしての道を進むよりも、ジェネラリストとしてより企業活動の根幹に関わりたいという思いが強くなり、6年半で退職を決意し家業に就くことを決めました。

 退職後すぐに家業に携わることも考えましたが、人材不足や建設業の就業規制といった経営リスクに晒されている地方都市のゼネコン会社を経営するには、より大局的な視点を手に入れる必要があるということを認識しておりました。そのため、経営に必要なスキルやマインドセットをKBSで手に入れたいと考え入学を決めました。

この1年間で感じるKBSの魅力はどんなところですか?(学び/プライベート)

 様々なバックグラウンドを持つ人材と議論する機会が多い点で非常に魅力があると思います。KBSでは私のような事業承継予定者をはじめとして、企業派遣者、企業退職者、新卒生、留学生など、年齢や国籍を超えた様々な人材が在籍しております。こうした方々と同じケース教材を用いて議論をします。当然考えや意見が異なることも少なくありませんが、「そういう考え方もあるのか」といった発見や、「自分の意見も間違えてなそうだが、今回のケースではこの人の考えの方がマッチしそうだ」といった考え方の切り替えができるようになりました。

  年齢が自分より下の人から鋭い指摘を受けたり、留学生から私の意見に対してダメ出しをされたり、普段の社会人生活ではあまり起こらない状況を経験し、精神的に辛いと思う時もあります。しかし、こうした貴重な経験をすることが出来た1年間を楽しむことが出来ました。

KBS入学前とのポジティブなギャップがあれば教えてください。

 正直に言うと、KBSはエリート気質の気難しい人たちばかりいるという印象があり、当初、学校の雰囲気に馴染めるか不安でした。しかし入学してみると同級生のほとんどがフレンドリーで喋りやすく、良い意味で裏切られました。同級生の多くは自分と同じく、現状に不満を持っている方ばかりで、「自分自身の何かを変えたい」といった気概を実感することができました。

 そのため同級生とはすぐに打ち解けることができ、今では毎週のようにラーメンを食べに行ったり、居酒屋でおしゃべりしたりしています。また、近々みんなの会社に訪問し合う計画を練っており、一生付き合える仲間ができました。

卒業後のキャリアにKBSでの学びはどのように活かされると考えますか?

 家業の会社は創業から間もなく100年になろうとしている老舗企業です。しかし、恥ずかしながら昔ながらの体質から抜け出すことができていません。私は卒業後にこうした体質を改善して、従業員をはじめステークホルダー全員が幸福になるように努めたいと考えております。

 そのためにKBSで学習した「7S」という概念を用いて、事業戦略を組みたいと考えております。「7S」では、組織改革を行ううえで、組織の構造や戦略、システムといったハード面だけでなく、企業風土や、スキル、従業員、そして組織全体の「共通の価値観」というソフト面を合わせた7つの要素の関係性をよく観察しながらバランスさせ、マネジメントを行うことが重要であると言われています。

 昔ながらの事業改革というと、まずは組織構造や戦略を変え、経営陣が「戦略と組織構造を変えたからみんなついてこい」と指示を下すことが少なくなかったそうです。これでは従業員の共通の価値観が醸成されず、結果として改革が上手くいかないというリスクが潜んでいます。こうしたリスクを負わぬようにソフト面にも注目し複眼的な視点から事業改革を行っていきたいです。

その他、これだけは伝えたい!ということはありますか?

 KBSは自分の取り組み次第でいくらでも成長できる環境です。自主性があれば勉強会や情報交換会、更には学内起業など様々な活動が可能になります。また、生徒も教授も一流の方々が在籍しており、こうした環境を活かすのも姿勢次第です。

 最初の1年間は初めてのことばかりで非常にタフな日々が続きますが、それを乗り越えた先にはより良い景色を見渡せると思います(私は卒業前なので、そう信じています)。こうした環境を共に経験した仲間と、KBSのネットワークで交流できることを楽しみにしています!

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