2024年10月22日

KBS同窓会主催「Tuckとの合同キャリアイベント」開催報告

 「1994年2月、面接のためTuckキャンパスを訪問した際に日本人留学生数名とランチをご一緒しました。そのお一人が、KBS教授の清水勝彦さん。30年ぶりに今回のイベントで再会できるとは...」。Tuck OBの田村茂さんは嬉しそうに語る――。

 2024年10月9日、東京都港区にて、慶應ビジネススクール(KBS)とダートマス大学タック経営大学院の同窓会(Tuck Club of Japan)が共催するパネルディスカッション「ジグザグのキャリア形成」が開催されました。

 パネリストには、大塚友美氏(Tuck '07卒、トヨタ自動車株式会社シニアフェロー)、近藤健志氏(Tuck '96卒、開智学園日本橋学園中学・高等学校校長)、樋口裕樹氏(KBS E7、ナブテスコ執行役員企画部長)、和田幸子氏(KBSM28、タスカジ代表取締役)の4名が登壇しました。会場には、KBS側とTuck側を合わせて約45名が集い、イベント冒頭では、Tuck卒業生で、KBSの清水勝彦教授による挨拶も行われました。

 本イベントは、2023年11月に開催されたTuck Japan Seminar「課題先進国・日本における人的資本経営の勝ち筋を探る」で中村洋経営管理研究科委員長が登壇したことが契機となりました。その後、両校の同窓生が協力してイベントを実施する機会を模索する中で、MBA修了生にとって共通の重要テーマである「キャリア形成」を多様な視点から語り尽くそうという想いが一致し、本イベントが実施される運びとなりました。

ディスカッションの終盤では「ビジネススクールでの経験がどのようにキャリアに生かされたか」が話題に挙がりました。パネリストの和田氏は、KBS時代に学んだナイキのケーススタディーを例に、「ビジネスをする上で『儲けのやり方』が悪ければ、いくら儲かっていても意味がない。社会に価値を還元することが重要だ」と語りました。彼女が起業する際にも、「ビジネスは社会にネガティブインパクトを与えるべきではない」との信念を強くさせたといいます。

 当日参加したM46期(現修士2年)の夏子期(シャー・ズーチー)さんは、「成功体験に加え、心の葛藤や挫折、そして現在の"迷い"を率直にシェアしてくれたことに感銘を受けた」と振り返ります。

 今回のイベントは、KBSとTuckのネットワークを活用し、キャリア形成のビジネススクールを超えた"学びの場"となりました。終了後には、付近で懇親会も行い、2024年度KBS同窓会副会長を務める芦澤美智子准教授の乾杯に始まり、学生時代の懐かしい話から近況報告まで、ざっくばらんに情報交換を行いました。

 本イベントを企画したKBS同窓会副会長でEMBA7期生の丸山美鈴さんは「懇親会では、参加者の皆さんが熱い議論が繰り広げられていた。その光景を見ながら、次はTuckの皆様と何を一緒にしようかと、もう思考を巡らせています」と語ります。

 Tuck側の幹事を務めた鈴木英介さんは、「共通した価値観があってこそ、真の人脈になります。今日は、"事業を通じてより良き世界を創る"を掲げるTuck卒業生にとっても、素晴らしい出会いの機会になりました」と語ります。

 今日、巷には、"MBA不要論"が叫ばれることがあります。しかしながら、卒業後も続くネットワーク、そして、MBAを縁にビジネススクールを超えた繋がりは、醍醐味の一つであると感じました。

M46期 山本興陽

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