2025年10月16日

【MBA】林洋一郎ゼミ × 九州大学池田研究室 合同ゼミ合宿開催報告

2025年9月16日~17日、大分県玖珠郡九重町にある九重共同研修所にて、KBS林洋一郎ゼミと九州大学大学院人間環境学府・池田研究室による合同ゼミ合宿が開催されました。九重町は豊かな自然と温泉に恵まれた地域で、学びと交流を深める場として最適な環境の中、2日間にわたり濃密なプログラムが行われました。


「良い研究とは何か」をめぐる両先生のセッション

合宿初日、まず行われたのは林洋一郎教授と池田浩准教授による合同セッションでした。テーマは「良い研究とは何か」。
林先生は、これまでの研究経験を踏まえながら、良い研究を一義的に定義する難しさを率直に語られました。その上で、国際的な主要ジャーナルが論文を採択する際の基準を紹介し、理論的・実証的・実践的な貢献や論証の厳密さ、そして「確実性」と「意外性」を兼ね備えることが研究の質を高めると強調しました。また、概念の乱立が研究の断片化を生み、理論発展を妨げる危険性にも触れられ、研究者が安易に新しいラベルをつけることのリスクについて警鐘を鳴らしました。
一方、池田先生は「良い研究」に必要な視点として、「自己視点」と「他者視点」の両立を挙げられました。自分にとって興味深いだけでは独りよがりに陥りやすく、学術的意義と社会的意義を両立する問いを立てることが重要であると指摘。また、問いの背景にある心理的メカニズムを捉えることや、定量・定性を組み合わせたトライアンギュレーションによる研究デザインの工夫を示し、再現性の高い成果につながる道筋を具体的に提示されました。さらに「問いを問い直し続けることそのものが良い研究である」とのメッセージは、学生たちの心に強く響きました。


学生による発表と活発な議論

セッションに続いて、林ゼミ所属学生による研究発表が行われました。各発表の後には池田研究室の学生からも鋭い質問やコメントが寄せられ、発表者は自らの研究を新たな角度から見直すきっかけを得ることができました。異なる研究背景を持つ学生同士のやり取りは、視野を広げる実りある機会となりました。


両校の交流

夕方からはバーベキューと懇親会が行われ、研究の緊張感から解放された学生たちが、互いの大学生活や研究テーマの裏話を語り合いました。宿舎には温泉もあり、日常を離れた環境の中で心身をリフレッシュしつつ、仲間としての絆を深めました。


レクリエーションとポスター発表

2日目は体育館でのレクリエーションから始まり、学年や研究室の垣根を越えてチームを組み、体を動かしながら協力し合う中で、自然と互いの距離が縮まりました。その後、池田研究室によるポスター発表が行われ、学生一人ひとりが自身の研究テーマを紹介。林ゼミの学生たちは多様な研究テーマや方法論に触れ、大いに刺激を受けました。


合宿を通じて得られた学びと展望

今回の合同合宿は、両ゼミの学生にとって「良い研究とは何か」を考える貴重な機会であると同時に、研究仲間としての信頼関係を築く場となりました。異なる大学・分野に属する学生が刺激を受け合うことで、今後の研究活動に新たな視点やヒントが加わることが期待されます。来年以降についても継続的な連携を図り、互いに高め合っていきたいと思います。

M47 林洋一郎ゼミ
勝又 織瑛
謝 坤衍
菅野 健太

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