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第44回 マネジメント・ディベロップメント・プログラム(MDP) 受講生の声


笹山 彰一(ささやま しょういち)
1967年生まれ 東京外国語大学外国語学部中国語学科(三井物産株式会社 メディカル・ヘルスケア事業部)

自身の成長と会社への還元

昔から「人の三井」と言われているように、当社では自己研鑽を通じてその能力を最大限発揮することが社員一人一人に強く求められています。会社としても人材育成や自己啓発のための各種プログラムに力を入れており、中でもMDP(マネジメント・ディベロップメント・プログラム)は、将来のマネジメントを担う中堅人材の経営スキル向上、異業種から集まる参加メンバーとの交流による幅広い視野の獲得、更には様々な分野で活躍する同世代のビジネスマンとの人的ネットワークの構築をその狙いとしています。

総合商社の事業モデルが従来の物流型から事業投資型に変化してきている中で、新しいビジネスモデルの構築、更には子会社や関係会社の経営管理といった様々な場面において多岐に亘るマネジメントスキルが必要になってきています。私自身も会社の目指す「よい仕事」への貢献のため、更に高いレベルのスキルを身につけるべくMDPへの参加を志しましたが、実際にプログラムと向き合ってみて、これまで仕事の現場で培った知見や経験をあらためて学術的・体系的に整理し直すと同時に、様々な業界の第一線で活躍するメンバーとの議論や交流を通じて自分自身を振り返り、新たな切り口や気付きを得ることができています。

大変だけどやりがいのある日々

3ヵ月間の集中プログラムは、まさにケースとの格闘で、そこから何を得るかは自身の取組み方次第とも言えます。MDPに参加して以降、私もプライベートな時間は全くと言っていいほどなくなってしまいました。睡眠時間を確保するのがやっとで、授業が終わった後も図書館などで予習と復習に追われています。授業の題材となるケースは、腰を据えて事前準備に取り組むだけの質と量を備えており、これを毎日2つずつこなすことは決して楽ではありませんが、日々充実感と達成感を得ることができています。ケースの内容については、基本的な経営管理のフレームワークをベースとしつつも、それぞれのケースでそれぞれの意思決定があり、それぞれの場面で何故そうなったのか、自分ならどうするかを徹底的に考えさせられます。この実学の精神は、実務に携わる者として非常に興味深いものであり、単なる学問で終わらずにケースを通して自らの意思決定を擬似的に試されるという点で緊張感のあるものになっていると感じています。

意識の変化

ケーススタディーでは、講師による授業の前に6名毎のグループで1時間のディスカッションを行うのですが、メンバー全員がそれぞれの視点でいろいろな意見を出し合うことで、そのケースの全体像をより多面的に把握することができています。皆がとても建設的、協力的で非常に良いチームワークで議論が進み、その後の全体討議がさらに有意義なものになります。

また、短期間でこれほど集中して膨大な活字と情報に接したことは最近ありませんでしたが、その結果として世の中の色々なメディアや情報に対する興味の持ち方や捉え方が多少なりとも変わってきたように感じます。これまで何となく接してきた情報或いは報道などに対して、そこで述べられているものを単眼的に見るだけでなく、その裏にあるものは何かを意識して複眼的に捉えようとする習慣がついたことは、このプログラムで得られた収穫の一つと考えています。


藤江 誠(ふじえ まこと)
1976年生まれ 明治大学商学部商学科 2000年卒(久光製薬株式会社 人事部人材開発課)

会社の研修制度とこのMDP参加の経緯

現在勤めている会社では、マネジメント・企画能力向上の重要性を強く意識し、新入社員からマネージャークラスまでを対象とした階層別研修や、事業部・本部別に実施する職種別研修、また自己啓発を目的とした通信教育など全社員を対象とした研修を随時行っています。慶應義塾大学のMBAコース、MDPコースに、当社の中堅クラス以上の社員を対象に定期的に参加させていただいていた関係もあり、この度チャレンジするに至りました。

ケースメソッドを体験して

扱われるケースのほとんどが実際に起こった企業の事例に基づき作成されたもので、大変リアリティーがあります。 時には工場に行き現場を見ながらの授業もあり、真実味を持ってケースと対面することができます。結果、様々な分析や判断を多面的にバランスよく身に付けることができるので、実際のビジネスの場で使える即戦力が養われると思います。ケースメソッドは、「自己学習」「グループディスカッション」「クラスディスカッション」と3段階に分けて行われるので、自分の意見と他者の意見がどのように違うのか思考プロセスや価値観基準より確認でき、また講師方の話からは、思いもよらない新しい視点で物事を考えることが出来ます。最後の授業では個人研究の作成も設けられていますので、インプットだけでなくアウトプットをすることで、成果を確認できるのではないでしょうか。

講師・受講生から受ける刺激

講師方は、各テーマ別のスペシャリストであるのはもとより、会社経営の経験がある方、企業の顧問をされている方、行政の政策的な監修をされている方、など様々なご経験がある方ばかりなので、とても興味深く、脳へ知的な刺激を強烈かつダイレクトに与えられる感覚で学ぶことができます。受講生も様々な業界から参加されていますので、普段なかなか話す機会のない異業種の方から、異なる思考プロセスや価値観を学ぶことができるのはもちろん、同じベクトルに進む仲間として、時には協調し、またお互いに刺激を与えられる人脈を得ることができました。