菅原 誠太郎 氏

医師として、そして経営者として


菅原 誠太郎 | 福井大学 医学部卒
2018年慶應義塾大学大学院 経営管理研究科修了
2018年株式会社カラダメディカ代表取締役に就任
会社経営と共に現役の医師として聖マリアンナ医科大学助教、大学病院救命救急センター医長としても活動
日本救急医学会 救急科専門医

医療業界の課題を感じた医師時代

医学部卒業後、研修医、後期研修を経て救急の専門医になりました。研修時は、朝早くから夜遅くまで働いてその後カルテを書いてさらに仕事をするという生活をしていました。自分の体の限界を感じるほどでしたが、それにもかかわらず病院は赤字でした。医師や医療従事者が頑張っても報われないのは病院経営や医療の仕組みに課題があると考えました。
患者さんは病気になってからしか病院には来ません。「症状がでるもっと前からわかっていたら治せたのに」と考えることも多々あり、医療行為以外の部分で患者さんのためにできることはもっとあるのではないかと感じていました。しかし、医者をしていると目の前の患者さんのことを考えることで精一杯で、時間もリソースもありませんでした。
そこで、これらの課題を解決するためには一度医療現場から離れ経営やマネジメントを学ぶ必要があると考え、KBSへの進学を決めました。医師として6年の勤務を経験してからのことでした。

菅原 誠太郎 氏

100%コミットできるKBSで

長い歴史があることや、フルタイムで100%勉強にコミットできると考えKBSを選びました。オンラインや働きながら通えるMBAも検討しましたが、医者をやりながら片手間で学ぶと体力的にも精神的にも言い訳が出来てしまうため、学びに100%コミットできる方が学びが深いと考え、フルタイムのKBSを選びました。MBAを取ることが目的ではなく、本質的な学びを得ることに重点を置いていました。
また、KBSを修了した医師が多かったことも理由の一つです。通常、医師でMBAを取る人はほとんどいないですが、株式会社iCAREのCEOである山田洋太さん(2012年度修了)をはじめ、KBSには医師でありながらMBAを取って活躍するOB・OGがいます。実際に入学すると、1学年上に5名、1学年下に3名、同級生に1人の医師がいました。

一生の仲間を得る事ができたKBS生活

KBSの2年間で得たことはたくさんありますが、その中で4点ご紹介します。

1つ目は、自分の考えを持って、自ら意思決定できるようになったことです。社会に出てから気づいたことですが、自分で意思決定ができる人は意外と少ないです。情報を右から左へ流している人などが多く、本当に考え抜いて自分で責任を持って意思決定をしている人はほとんどいません。自分の意見を研ぎ澄まして意思決定を疑似体験できたことは貴重でした。

2つ目は多様な考え方を学べたことです。医療業界では考えないようなアイディアや思考を学び、自分の思考の幅の小ささや正解が一つではないことを改めて学びました。

3つ目は、何物にも代え難い貴重な人脈です。現在社長をしている会社の右腕はKBSの同級生であり(ちなみに1年間口説きました笑)、さらにグループ会社も含めると同級生とゼミの後輩のKBS出身者が4人います。大手財閥系の会社に営業をする際も同級生の繋がりからアプローチできました。
先日も同級生4人でSUP(スタンドアップパドルボード:ウォータースポーツ)に行き、今でも時々KBSの同級生と食事会をします。KBSの同級生は中高大の同級生とは違い、考え方や根幹の哲学が似ている人が多く、毎回学びがあり楽しいです。

4つ目は、山本晶先生のゼミでマーケティングを学んだことです。医療はマーケティング分野が非常に弱いと言われています。実際に、今まで全く知らなかったマーケティングを学ぶと非常に面白いと感じました。医療業界も「お医者様」から「患者様」の時代に変わっていて、今は患者さん主体の医療を実現する時代に入っており、マーケティングが必要であると強く感じます。

KBSでの出会いからCEO就任

KBS修了後に起業をしたいと思い学内のビジネスコンテストなどにも出場しましたが、なかなか上手くはいきませんでした。そんな時にKBSのご縁を通じて株式会社エムティーアイの前多社長とゼミ生の食事会が開催され、社長と意気投合しその後前多社長にお誘いいただき子会社社長に就任しました。医者として経営の「け」の字も知らずに、KBSに進学し修了後にCEOになりました。


女性の健康課題を企業が支援し、誰もが働きやすい社会へ

今は3つの事業をしています。その中で最も力を入れているのが、丸紅とジョイントベンチャーを設立した働く女性の健康課題改善に関する サービス提供事業です。
『ルナルナ オンライン診療』を活用し、女性の健康課題改善から効果検証までを一気通貫でサポートする法人向けサービスを運営しています。月経やPMSの症状から、妊娠や不妊、更年期症状に関するセミナーや婦人科の医師への相談、診察、処方まで幅広いライフステージの働く女性をサポートしています。

受験生に向けてのメッセージ

KBS修了後の実際のビジネスが試合とすれば、KBSは知識を身につけ、ディスカッションで筋トレをできる場所だと思っています。KBSは自分の世界を広げるにはとてもいい選択肢です。しっかりコミットすれば学びや人脈など想像以上のあらゆる価値を見つけられます。

またKBS進学を考えている医療関係者の方へ
何をしたいかフォーカスして入学すると学びが深まります。医療業界では、優秀なプレイヤー(手術が上手い等)がマネージャーになるためマネジメントの課題が多く、マネジメントの勉強をする部分でも多くの学びがあると思います。
想いがある方はぜひチャレンジしてみてください!

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