2015年07月29日
梅雨もまだ明けきらない2015年7月4日(金)~11日(土)、中国・韓国・日本のビジネス・スクール3校による合同プロジェクト「アジアビジネス・フィールドスタディ(通称「CKJ」)」が開催されました。
このプロジェクトは、中国の清華大学、韓国のKAIST、そして日本の慶應ビジネス・スクール(KBS)から集められたMBA学生36名が混成チームを組み、それぞれの国の特定の産業を比較分析した上で、その産業に属する代表企業や特色のある企業などを訪問し、フィールドスタディを行うものです。テーマとして設定された産業や訪問企業の、アジアおよびグローバル市場での成功に向けた「キーファクター」の検討と戦略策定を行うことが、その目的でした。
フィールドスタディを行う国は毎年持ち回りで変わります。2012年度にスタートしてから4回目を迎えた今回は、一巡して日本での2度目の開催でした。(余談ですがこのプロジェクト、私たち学生はChina、Korea、Japanの頭文字を取って「CKJ」プロジェクトと呼んでいます。)
今回のテーマは「ファミリービジネス」。創業家が何代にもわたって事業を続けている日本企業を6社訪問しました。
36名の学生を6チームに分けて担当企業を決めはするものの、全てのチームが全ての企業を訪問するため、担当外の企業の分析についても問題意識を持って取り組む必要があります。私たちは連日、訪問企業が持続的な成長を遂げている要因やその将来戦略について、活発に議論を交わしていきました。
当然といえば当然なのですが、事前のネット会議を含めて、全ての議論・プレゼンテーションは英語で行われました。各校とも、英語が得意な人もそうでない人もいたと思いますが、そんなことは関係なく、「訪問する企業をより良くするためにはどうするべきか」ということについて真摯に、情熱をもって徹底的に議論しました。また、企業訪問が終わったあとも夜を徹しての議論・・・ということはなく、各校の学生たちはほぼ毎晩遅くまで飲んで、各国のビジネスや将来のキャリアなどについて語り合っていました。
そして、3か国の学生たちが約1週間にわたって寝食を共にしたプロジェクトの締めくくりは、先生方や参加学生の前での担当企業についての最終プレゼンテーションでした。予想通り、先生方や学生たちから厳しい質問や指摘をいただきはしましたが、どのチームともメンバーで議論を尽くして練り上げた、最高のプレゼンテーションができていたと(個人的には)思います。
ファカルティラウンジでのお別れパーティでプロジェクトが幕を下ろした翌日、中国・韓国の学生たちは別れを惜しみつつ自国に戻っていきました。直面する様々な課題に対しての私たちの試行錯誤は、それぞれの国でこれからも続いていくでしょう。今回のプロジェクトは間違いなく、これから再び社会に出る私たちKBS生にとって非常に学びの多い経験になったと思います。
最後になりましたが、私たちの訪問をご快諾くださった上に、不躾な質問の数々にも嫌な顔ひとつせずお答えくださった株式会社豊島屋本店様、チヨダウーテ株式会社様、キッコーマン株式会社様、合資会社塩瀬総本家様、藤森工業株式会社様、株式会社八芳園様(順不同)に、厚く御礼申し上げます。また、ご指導くださった各国ファカルティの先生方、活動のサポートをしてくださった事務の方々にも御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
修士課程2年(M37) 新改敬英