カリキュラム・各科目の概要

必修コア科目 +
経営の根幹を理解し実践する上で必須のコア能力を修得する

コア科目

  • ケースメソッドの実践的授業を中心に、総合的経営管理能力の基本となる主要8領域を徹底的に学びます。
  • これまでの実務で携わってきた領域も含め全ての分野に対して、経営に必要な基礎知識や経営のコア能力を涵養します。
会計管理 経営の計数管理に不可欠な会計情報について、簿記や財務諸表等の基礎知識および財務比率や管理会計手法などの分析能力を身につけます。
経営科学 情報と論理的思考を駆使して経営課題の解決や意思決定の質を高める定量分析の具体的な方法論、および合理的な意思決定手法について学びます。
組織マネジメント 経営者として組織をいかにマネジメントするか、「組織における人間行動(ミクロ組織行動)」と「経営における組織と戦略(マクロ組織行動)」の2つの視点から学びます。
マーケティング 顧客が真に求める製品やサービスを創造し、届け、その価値を表現し、そして伝達する、効果的かつ先進的なマーケティング手法を学びます。
経済・社会・企業 人・組織をとりまく外部要因に対する理解を深め、外部環境変化に対する企業・組織経営のあり方について高い視座からの判断能力を養います。
財務管理 ファイナンスと経営財務の基礎、企業価値評価手法、資本コスト算定、経営戦略の手段としての財務戦略やM&A、企業再生等について学習します。
生産政策 企業活動において製品やサービスを提供する「開発・生産・供給機能」とそのためのオペレーションに焦点を当て、課題を発見・分析・改善する視点を養います。
総合経営 企業の経営政策・戦略上の諸課題について、トップ・マネジメントの視点に立って戦略立案並びに実行を指揮するための理論的フレームワークと方法論を学びます。

必修ビジョナリー +
あるべき社会の未来像を描き、それを実現する為の戦略を構築し、対外発信する

ビジョナリー

30年後のありたき未来、社会像、業界像を地球全体を視野に入れて思い描き(ビジョナリー)、現在に逆照射(バックキャスト)します。そして、その未来を実現するために求められる企業・組織・個人の価値観、行動原則を考察し、今なすべきことを明らかにしていきます。

上級管理職であればあるほど現実の部門経営への責任は重く、戦略立案にあたっては過去からと現在に至る傾向を将来へ外挿して行動を決める中短期型の「フォーキャスト」型の発想になることが多いです。

本科目では、日常業務の世界では時間を割きづらい超長期の視点を養います。年2回行われる海外フィールド(主に途上国)やフィールド(国内)での実地調査も活用し、現場・現実を直視しつつ超長期への思索を深めていきます。2年次の最後には、多様な業界を背景とする履修者たちが独自に練り上げた、大義ある未来の描写と行動アジェンダを共同執筆し、提言することで世に問います。

履修者の声

  • 従来の業務では決して考えることの無かったバックキャスティング的、超長期的な学びであると感じました。
  • 従来のビジネスマインドでは到底思いも及ばなかった、社会・環境・地球に配慮する見識に触れ、ビジネスを考える際のものさしが変りました。
  • これまで30年後の未来を考えて仕事をしたことが無かったので、この科目を通して仕事へ取り組む姿勢、考え方が変わり、常に長期的視点を持てるようになりました。
  • レベルは高い。高いから良く、達成できないレベルだからなお良かったです。修了後、人生を通じて問い続けるべき重要なテーマとなりました。

選択必修グローバル経営 +
世界からビジネススクールの教員を招聘し、多様な物の見方や思考パターンを修得する

グローバル経営

本科目は、国外の有力ビジネススクールから講師を招き、各専門領域からケース討論と講義を行う集中講義です(英語による授業)。既にコア科目で履修している領域のテーマであっても、国や文化、価値観の異なる講師から、全く異なる教材を通じて学びを多角的に進化させることができます。
これまでは、異文化経営、グローバル・マーケティング、デジタル時代のラグジュアリー・ブランド・マネジメント、戦略とイノベーション等をテーマとした授業が行われました。
日本を中心に育まれがちな自らの価値観を相対化する機会を持ち、単に国外の知識を伝授されることとは一線を画し、講師との討論を通じて新たな視座を見出すことを狙いとしています。
※年2回、金・土・日曜日に日吉キャンパスでの実施


2025年度 第1回(7月)

Riccardo Silvi
Professor
University of Bologna
Teaching Areas|Business Administration, Accounting & Performance Measurement



2025年度 第2回(12月)

Jaideep Sarkar
Professor
Indian Institute of Management Bangalore
Teaching Areas|Entrepreneurship

選択必修経営者討論 +
受講生が「人」「事」「物」の捉え方、考え方、リーダーとしてのマインドセットを実学として体得する

経営者討論

経営者は何を課題と捉え、それをどう解決したのだろうか?
そのとき、どんな想いで行動したのだろうか? 
経営者の理念や使命感はいつ、どのように体得されていったのだろうか?

本科目は、経営者としての志や使命感といったマインドセットを身につけるため、経営だけに限らず、芸術やスポーツ関係を含め、企業や組織のトップとして活躍しているリーダーを講師に招き、登壇者と直接対話することによって、知識やスキルを越えた経営理念について考え抜くことを目的としています。

本科目では、「事前の調査学習」「講演と討論」「レポート提出」という3つのステップを設けています。このサイクルを毎回繰り返すことで、学生は自ら経営者の立場に立って考える姿勢を身につけ、自らが先頭に立って行動していく力を養っていくことが可能です。

登壇者(2025年度)

  • 笹沼 泰助 |株式会社アドバンテッジパートナーズ 代表パートナー
  • 岡本 安史 |TIS株式会社 代表取締役社長
  • 浅野 雅己 |浅野撚糸株式会社 代表取締役社長
  • 土屋 武美 |株式会社晃祐堂 取締役社長
  • 水永 政志 |スター・マイカ・ホールディングス株式会社 代表取締役社長
  • 新芝 宏之 |株式会社岡三証券グループ 代表取締役社長
  • 加藤 健人 |一般社団法人 埼玉T.Wings 理事長(ブラインドサッカー選手)
  • 藤重 貞慶 |ライオン株式会社 特別顧問

※2025年5月時点、敬称略、登壇予定順

選択海外フィールド +
国外市場での新規事業に関する仮説を構築し、その実現可能性を実地に検証

海外フィールド

 今後2030年までに世界経済のGDP増加分の7割はアジアやアフリカなどの新興国経済によって生み出されるという推定があります。
 本科目では、そうした成長市場の動向について綿密な事前学習と新規ビジネスの仮説構築をまず行います。次にその仮説を携えて現地へ渡航し、実現可能性を実地検証します。
 実際に対象国の社会・顧客・経営の現実を目の当たりにし、未踏市場での新たなビジネス機会を模索した結果、当初の仮説が覆されたり、全く新しいビジネス機会が発見されたりすることは日常茶飯事です。履修者が所属する企業の具体的プロジェクトが実際に生まれ、現実の事業になるケースもあります。
 本科目での観察と気づきは、「ビジョナリー」や「個人研究」への重要なインプットとなるため、これらの科目間には高い相乗効果があります。
 これまでに訪問した国々として、ケニア共和国、ルワンダ共和国、タンザニア連合共和国、エチオピア連邦民主共和国などのサブサハラ・アフリカ諸国や、スリランカ民主社会主義共和国、インド共和国、ラオス人民民主共和国、ネパール、モンゴル国などのアジア諸国、さらにイスラエル国やメキシコ合衆国などがあります。各国での現地調査では市場の将来性のみならず、貧困や医療環境など様々な社会課題を直視することも重要な学びとなります。

  • 2024年度対象国
    7月下旬 スリランカ民主社会主義共和国
    翌2月 ケニア共和国・タンザニア連合共和国
  • 2023年度対象国
    7月下旬 スリランカ民主社会主義共和国
    翌2月 ケニア共和国
  • 2022年度対象国
    8月 スリランカ民主社会主義共和国(オンライン)
    翌2月 ネパール
  • 2021年度対象国
    8月 スリランカ民主社会主義共和国(オンライン)
    翌2月 カンボジア王国・バングラデシュ人民共和国(オンライン)
  • 2020年度対象国:
    8月 カンボジア王国(オンライン)
    翌2月 バングラディシュ人民共和国(オンライン)
  • 2019年度対象国
    8月 ミャンマー連邦共和国
    翌3月 エチオピア連邦民主共和国


2024年度7月:スリランカ民主社会主義共和国

Pettah Market(Colombo)  
Pettah Market(Colombo)
Sri Lanka Tea Board(Colombo)
Sri Lanka Tea Board(Colombo)
Fernando Industries(Colombo)
Fernando Industries(Colombo)


2024年度2月:ケニア共和国・タンザニア連合共和国

Food 4 Education(Nairobi)  
Food 4 Education(Nairobi)
Azania Secondary School(Dar es Salaam)
Azania Secondary School(Dar es Salaam)
Maasai Village(Maasai Mara)
Maasai Village(Maasai Mara)


必修フィールド +
国内企業の経営者や社員と直接交流し、現場を観察しながら、フィールドの調査・研究を行い、経営者への提言を行う

フィールド

本科目は、1年次に学んだコア科目8領域の学びと気付きを活かして、地域や企業の発展に貢献する分析と提言をまとめる必修科目です。
国内企業の経営者やリーダーたちと直接交流し、現場を観察しながら、調査・分析・考察を行い、実際に企業や地域への提言を行います。

2025年度 協力企業/組織

三木プーリ株式会社


三木プーリ株式会社
軸継手国内トップシェアを有す伝動・制御機器の総合メーカーである三木プーリ株式会社(神奈川県座間市)の協力を得て、営業マーケティング、生産技術、設計開発、海外事業、人事組織の5グループに分かれ、会社分析や事前質問の準備を行い、チーム全員で共有した上で、山形県米沢市の「三木プーリ米沢株式会社」、「三木ベルテック株式会社」、神奈川県座間市のテクニカルセンター、「三木プーリ相模株式会社」を訪問して、実地見学とインタビューを行い、会社の状況や課題を多面的に把握する。その上で、営業拠点での営業活動、工場での生産計画や進捗管理、新規製品の設計開発や製品保証といった業務プロセスのフィールドワークを行い、会社の強みを生かしつつ、市場環境の変化に対応して競争力を強化していくための施策を、会社幹部や従業員の方々との積極的な討議をベースとして、具体的かつ分野横断的に提言。

徳島県


徳島県
地域創生に取り組んで8年目。自治体から提起された現実の社会課題解決に、1年次の学びと実社会での自らの知見を総動員し、ビジネススクールらしいアプローチ、現地現物のフィールドワークを織り交ぜて国内フィールドを展開する。
徳島県庁から提起された課題は4つ:「移住拡大・結婚支援」「人材確保」「南部圏域の地域振興」「西部圏域の地域振興」。
履修生は、4つのグループに分かれて、県庁のご協力と徳島大正銀行の各種サポートを得ながら、県知事・県庁職員・地元事業者・移住者や教育機関などのキーパーソンへのインタビューや事業所視察を実施。収集した情報やデータの分析と戦略的方向性を巡って徹底討論し、ありたい未来のビジョンからバックキャストしたあるべき近い将来に向けての実行可能で持続可能な課題解決の施策を提言

2024年度 協力企業/組織

株式会社桃谷順天館


株式会社桃谷順天館
化粧品、及び医薬部外品の製造、販売を行う株式会社桃谷順天館(大阪府中央区)の協力を得て、営業、技術・研究、商品開発、生産・物流、マーケティング及び組織の6グループに分かれ、会社資料の確認、現地訪問と工場・各職場の見学、経営層~現場従業員へのインタビュー、行動変容を目指したワークショップなどの調査・フィールドワークを実施したうえで、市場環境、コアコンピタンスと組織、さらに具体的な業務フローまで詳細に分析し、従業員の方々との積極的な討議をベースとして、10年後の目指す姿やその未来に向けたアクションプランなどを提言。

熊本県 上天草市・熊本市・合志市・人吉市・肥後銀行


熊本県 上天草市・熊本市・合志市・人吉市・肥後銀行
熊本県 上天草市・熊本市・合志市・人吉市と肥後銀行のご協力を得て、地域創生を巡る社会的課題の解決に取り組んで4年目。
今年度は夏目漱石旧居やクラフトパークの再活性事業化・交通渋滞解消、半導体産業振興の背面で進む少子化を見据えた子ども政策、ゼロカーボンシティへの行動変容などに、戦略的かつ具体的な施策を提言。

必修個人研究 +
自己の問題意識に基づいて、経営上の課題解決や新たな事業構想を考察する

個人研究

ビジョナリー科目と並び、2年間の集大成となります。ビジョナリーが共同作業であるのに対し、個人研究は文字どおり個人で取り組みます。専門科目群の履修ではカバーできない、さらに深い専門的テーマの追求を行います。ビジョナリー科目で培った自らの時代感覚と問題意識に基づき、自身あるいは所属する組織や企業が直面する課題の真の原因を探索し、それらを解決する方策を分析・考案するのが基本です。個々のテーマ内容に応じ、関連領域の教員が指導にあたります。ただし、テーマは必ずしも業務に直結するものでなくともかまいません。ビジョナリーと連動しながら、30年後を見据えた社会構造変化と新たな事業機会の探索を行うことも可能です。テーマの選択は柔軟に行うことができます。2年次の7月から本格的に研究活動を始動し、翌年の1月に研究最終発表会が行われます。

選択専門科目 +
汎用性を持つ様々な専門的知識を修得する

専門科目

主要8領域のそれぞれから、EMBAプログラムの専門科目を開講しています(平日夜間および土曜日)。さらに、各自の業務上の調整が可能であることを前提に、MBAプログラムの専門科目(一部を除く)から履修も可能です。

EMBA専門科目 (2025年度、一例)

  • 幸福経営とイノベーション
  • 企業経営と金融・経済動向
  • グローバル生産経営
  • グローバル企業の戦略的グループ経営管理
  • ビジネスプロデュース論―成長・政策・CSR―
  • 現代アート・ビジネス
  • 財務報告分析
  • IGPIリアルビジネス講座
  • クリア・リーダーシップ
  • データ解析ワークショップ

必修ビジネス・ゲーム +
シミュレーションゲームで経営判断力と決断力を涵養する

ビジネス・ゲーム

初年度の集大成として、学んだカリキュラム内容を駆使し、多岐にわたる経営判断を下す体験をします。架空の商材をモデルとして、製品製造から販売まで一貫したビジネスをシミュレートしたゲーム(MBAビジネスゲーム)を使用し、各社が同一市場で事業業績の向上(時価総額の向上)を目指して展開する激しい競争状況で、経営判断力と決断力を涵養します。

選択グローバルエグゼクティブ +
企業見学、国情視察、加盟している各校でのケース討議や講義が組み合わされたinternational week(一週間の留学)

グローバルエグゼクティブ

経営管理研究科は、世界のビジネススクール11校からなる教育連携機構「EMBAコンソーシアム」に2019年から加盟し、活動しています。コンソーシアム活動の柱は、毎年9月に加盟各校が世界で同時開催する1週間のInternational Week(サマープログラム)です。

各校のEMBA生は加盟11校のプログラムに分散して参加します。1校のプログラム参加者の大半は他の10校から来るEMBA生と少数の自校のEMBA生によって構成されます。実質5日間の各プログラムでは、企業見学や国情視察、各校の校舎でのケース討論や講義が組み合わされます。参加者は、その国の経済・社会・文化等の事業環境とビジネスチャンスを理解する機会を得られます。

何よりも価値があるのは、極めて多様な国・文化の背景を持つエグゼクティブがさながらミニ国連のように一堂に会し、それによって触発される真の意味でのグローバル感覚です。International Weekは加盟校の在校生が正規科目として履修するほか、人数に余裕があるプログラムには修了生(卒業生)も参加可能です。

加盟校一覧(アルファベット順、2025年5月現在)

  • Bologna Business School(Bologna, Italy)
  • Cranfield School of Management(Cranfield, United Kingdom)
  • ESAN Business School(Lima, Peru)
  • FGV-EBAPE( Rio de Janeiro,Brazil)
  • FIU: Chapman Graduate School of Business(Miami, USA)
  • Jagdish Sheth School of Management.(Bengaluru, India)
  • Keio Business School(Yokohama,Japan)
  • Kozminski University(Warsaw, Poland)
  • Munich Business School(Munich, Germany)
  • The Lucas Graduate School of Business(California, USA)
  • University of Stellenbosch Business School(Cape Town, South Africa)

2024年度

Peru Module 2024 (ESAN Business School)
Peru Module 2024 (ESAN Business School)
UK Module 2024 (Cranfield School of Management)
UK Module 2024 (Cranfield School of Management)

2023年度

Italy Module 2023 (Bologna Business School)
Italy Module 2023 (Bologna Business School)
Japan Module 2023 (KBS)Tea Gathering experience in Sankei-en (Japanese Garden, Yokohama)
Japan Module 2023 (KBS) Tea Gathering experience in Sankei-en (Japanese Garden, Yokohama)

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