コース概要

 本セミナーは、本校が開校以来一貫して授業方法の中心に据えているケースメソッド授業での教え方を実践的に学んでいただくために、慶應義塾大学ビジネス・スクール ケースメソッド授業法研究普及室が運営するものです。経営教育に限らず幅広い教育領域で活用していただくことを前提に授業を行いますので、広義の「教育」に携わる方でさえあれば、参加者の現職や専門領域が問われることはありません。
本セミナーは、ベーシック・モジュール(4セッション)、アドバンス・モジュール(4セッション)のふたつのモジュールで構成され、モジュールごとに独立して開講されます。アドバンス・モジュールを受講するためには、ベーシック・モジュール(あるいは大学院科目「ケースメソッド教授法(特論)」)を受講し終えていることが必要です。
各モジュールでの成績優秀者には「優秀修了証」が、またいずれのモジュールでも優秀修了証を得た方には「ケースメソッド・インストラクター認定証」が、慶應義塾大学ビジネス・スクール ケースメソッド授業法研究普及室より授与されます。

セミナーの目的

本セミナーの参加者が目指すゴールは、ケースメソッド教育を理解し、実践するための第一歩を踏み出せるようになることです。具体的には、ケースメソッド授業の特徴である双方向性、創発性、協働性、内省促進性を十分に引き出し、学習者の実践力を育むための、教材選択、授業設計、授業運営、振り返りが適切に行えるようになることが求められています。

セミナーの特徴

本セミナーの特徴は、ケースメソッドで教える:すなわちディスカッションリードの「場数を踏む」ための機会を最大限に設けていることにあります。このセミナーには、ケースメソッド授業の運営スキルを身につけたいと望む参加者が集い、ときに自らがディスカッションリーダーとなり、学生役として練習相手を務めてくれる仲間によって磨かれていきます。
このように、本セミナーは志を同じくした参加者たちが同じ場所に集うからこそ成立する希少な訓練機会です。また、参加者による「ディスカッションリード演習」の機会が豊富であるという点では、世界でも例を見ないセミナーであると自負しています。

本セミナーで推奨される学習

 本セミナーでは、次に挙げる3つの学習を推奨しています。これら3つの学習を視野に入れることで、学習効果を最大化することができます。
第一は、参加者自らが「ディスカッションリード演習」に立候補し、その演習機会を得て学ぶことです。過去の演習者は口を揃えて「見るのとやるのとでは大違い」と言います。
第二は、「大違い」ではあっても他者の演習を見て学ぶことです。本セミナーに参加する方はみな「教える」ための準備努力をしている方々ばかりですので、代理体験による学習効果も大きくなります。
第三は、本セミナーで扱うケースをもとに討議を重ねて学ぶことです。本セミナーでは、とりわけベーシック・モジュールにおいて、ビジネス・スクールで教えている科目のケースを用いるのではなく、ケースメソッドで教える教室で起こり得る諸問題について記述したケースを使用します。これらのケースは、参加者の教授法の向上にむすびつくイシューを扱っていますので、ケース討議を重ねることが教授法スキルの獲得はもとより、参加者各自の教育観や授業観の確立にもつながります。

ディスカッションリード演習へのチャレンジ

前々項で述べたとおり、本セミナーの最大の特徴は「ディスカッションリード演習」の機会を最大化している点にありますが、時間の制約上、残念ながらすべての参加者にこのような訓練機会を提供することができません。その分、演習者に選ばれた方は貴重な訓練機会を得るわけですので、演習当日に向けて十分な時間を費やして準備に当たっていただくようお願いいたします。講師は、スカイプを用いたテレビ会議でのやり取りを通して、演習者の準備プロセスを全面的にバックアップします。演習者には1回30分の個別指導を計3回行いますので、スカイプの使用環境(映像と音声によるビデオ通話)を各自でご用意ください。
またもちろん、演習に立候補されるに際して、ケースメソッド授業での教授経験は問われません。ぜひ積極的にチャレンジしてください。

ベーシック・モジュールおよびアドバンス・モジュールでディスカッションリード演習を希望される方は、いずれのモジュールにおいても、第1セッション終了時に教室で立候補してください。希望者多数の場合も抽選等を行い、その場で演習者を決定します。受講者全員には提供できない貴重な演習機会となりますので、演習の権利を獲得された方には、演習準備に十分な時間を充ていただきますようお願いいたします。

なお、アドバンス・モジュールでは、参加者の教育活動フィールドで用いるケース教材を使用して、ディスカッションリード演習を行う機会も用意していますので、この演習に立候補されたい方は受講のご準備とともにケース教材のご準備も併せて進めてください。

参加者の多様性

本セミナーは一義的には教員教育セミナーとして開講していますが、ケースメソッド教授法セミナーで得た知見を、企業等の組織運営場面で発揮可能なディスカッション・リーダーシップに転用するために受講するという方も歓迎いたします。これまでの参加者の代表的なプロフィールは、大学教員、小中高の教諭およびスクールリーダー、教育事業会社等で研修の開発や運営に従事されている方、セミナー講師、企業の人事教育担当者、一般のビジネスリーダーなどです。

本セミナーでは、参加者が大学教員(学術研究者)に偏らないことが、実践的授業方法を探求するための原動力になっています。各開講クールの参加者構成がどのようであっても、授業自体は教員教育を主目的とする一様の運営になりますが、参加者が多様であればあるほどそこから持ち帰ることができるものも多様なものとなります。

講師

竹内伸一
徳島文理大学人間生活学部教授
研究者情報(徳島文理大学)

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