2026年01月26日

要旨:
近年、ECサイトにおいて顧客対応の効率化や購買体験の向上を目的とした、チャットボットの活用が広がっています。AIを活用したチャットボットは問い合わせ対応にとどまらず、商品を顧客のニーズに合わせてレコメンドすることで、消費者の購買判断に直接影響を与える重要な接点となっています。しかし、どのようなデザインや応答スタイルのチャットボットが、実際の購買行動に効果的なのかについては、十分な実証研究がありませんでした。
本研究は、実際の化粧品ECサイトにおける大規模なフィールド実験を通じて、チャットボットのデザインが消費者の購買行動に与える影響を検証しました。具体的には、「見た目(人間/キャラクター)」と「応答スタイル(温かく共感的/専門的で論理的)」を組み合わせた4種類のチャットボットを比較し、単発購入と定期購入という異なる購買形態に着目しました。
分析の結果、定期購入ではキャラクターの外見に温かみのある応答を組み合わせたチャットボットが特に高い効果を示しました。一方、単発購入では、商品の情報を的確に伝える専門的な応答がより重視されることが分かりました。また、単発購入ではチャットボットの効果が時間とともに弱まる一方、定期購入では効果が長期的に持続する傾向も確認されました。本研究は、購買段階や顧客との関係性に応じたAIチャットボット設計の重要性を示し、ECサイト運営のマーケティング実務に実践的な示唆を提供しています。
