2021年04月12日

2020年度「生産システム設計論」開催報告

 

2021年1月21日〜3月18日にかけて、株式会社マグトロニクス様(以下、マグトロニクス社)の神奈川第2工場(相武台前)にてフィールドワークを行い、「工場の生産能力向上の改善提案を行う」という目的の下に、産業用機器向けケーブルの生産ラインを中心に、現場分析と考察を行いました。

本講義では、初回にマグトロニクス社の本社にて、社長の菅正彦様をはじめとする社員の方々より企業概要や工場における現状、課題をお聞きし、その上で分析対象となる生産工程を、オンラインを通じて確認しました。その後は、河野先生・坂爪先生の指揮の下、課題を洗い出し、テーマによってチーム分け(作業性・生産性チーム・生産計画チーム・品質チーム)をし、各チームがそれぞれのテーマ・課題に基づいて工場見学、インタビュー、生産管理のデータの分析を行いました。先生方のご指導を得ながら、分析結果を基に仮説を立て、提言を打ち出し、最終日にはチーム毎に現場分析の結果及び改善提案を発表致しました。

本講義は、本来3,4,5限でしたが、緊急事態宣言が発出され、受講生が一度に工場に立ち入ることができなくなったため、各チームの見学は2時間に縮小となり、午前から午後にかけて各チームが時間を分けて見学を行うことになりました。このような状況ではありましたが、各チームが実用性の高い改善提案を目指し、限られた時間で効率よく見学、分析を行い、工場見学以外の時間では対面だけでなく、オンラインも活用しながら、先生方やメンバーと効果的に議論を重ねることができたと思っております。

最終報告会の場においては、各チームの発表に対して、社員の方々に興味を持って頂き、「社内の現状・課題がよく指摘されている」、「この改善提案を実施してみたい」、「この改善提案はこうしたらもっとより実用的になるのではないか」などといったご質問やご感想を頂戴し、有益な議論をすることができました。今後のマグトロニクス社の改善活動に向けて、何かしらの気付きやヒントになったのではないかと感じております。

本講義を通じて、定着した現状の作業工程の中から無駄な工程や、データの中から問題の根源を見つけ出し、分析を通じて、問題に対して効果的な提言をするといった能力を養うことができたと思っております。これ以外にも、我々が今までに経験してきた業界とは違う業界の現場を実際に見たり触れたり、インタビューを通じて一企業としての問題に対する姿勢や、企業に属する社員の方々の仕事に対する姿勢などを目にすることができ、大変勉強になりました。今後はこれらの貴重な体験を自身の業務にも生かせるよう努めて参りたいと思っております。

今年度、コロナウイルスの影響により入学時からほぼ全ての講義をオンラインで受けてきたM43にとっては、実際の現場を見て、担当者に話を伺い、メンバーと直に議論できたことは、大変有意義な時間となったと感じております。

最後に、この度は緊急事態宣言が発出されている中、工場見学という大変貴重な機会を与えて下さり、見学がスムーズに進むよう分析にご協力下さったマグトロニクス社の皆様に厚く御礼申し上げます。

M43 木下 裕、チャン・バン・ティエップ

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