2022.06.08

慶應義塾大学ビジネス・スクール委員長杯2021 最優秀賞(KBS同窓会賞)受賞記念山形市ビジネススタディーツアー 報告

私たちは、2021年度委員長杯で最優秀賞(KBS同窓会賞)をいただき副賞として山形市でのビジネススタディーツアーを実施しました。(2021年委員長杯の詳細はこちら
KBSでの学び、委員長杯でのビジネス創出を通じて、1つの企業だけでなく産官学が連携したイノベーションの必要性を強く感じ、その中で産官学が連携しイノベーションを起こそうと多くの取り組みをしている山形市への訪問を決めました。
井上 貴至 山形市副市長にご協力いただきながら、清水勝彦教授と共に1泊2日山形市の企業を訪問し、さまざまな視点で多くの学びを得ることができました。

1社目:株式会社サニックス
https://www.sanics.co.jp/about/index.html#0
会社概要:従業員数82名の自動車整備工場で基本理念は「社員を幸せにする 会社と社員が幸せになる100年起業を目指す!」、事業領域は「働く車の快適環境創造業」。佐藤社長を中心に会社の若返り、ブランディングを進めてきた。2020年、IoTを活用したPRE-EVトラック開発事業が環境省「2019年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」に選定される。経済産業省より「地域未来牽引企業」「健康経営優良法人2020」の認証を受け、「新・ダイバーシティ経営企業100選」を受賞。

気づき・学び
新しい挑戦(LINE WORKS導入)と同族経営や地域への貢献などの商習慣を、社長のリーダーシップのもと上手く融合させている会社であると感じた。具体的には、LINE WORKS内でSANICSアカデミーという動画を活用し板金・塗装技術などを体系立てて伝達し、その動画を他部門の人でも閲覧可能とすることで業務の標準化をしている点が挙げられる(共育ち)。また、社長は数十年前の「3K」のイメージを脱却したかったと話されていたが、我々が訪れた現場は建物の表記がピクトグラムで表現され、おしゃれかつカラフルであったり、服装は一般的なツナギでなくジーンズ生地の作業着であったりと、大変素敵な職場であると感じた。この現場には「3K」という印象は抱かず、当初の目的は実現されたのだと感服した。
一方で、新規事業と既存事業(板金や塗装など)との兼ね合いなどの難しさも痛感した。自動車業界の変化の中で進化を続けてきた同社のDNAが新規事業に活かされている。また、東芝OBのご活躍もお伺いし、シルバー人材活用の可能性を身近に感じることができた。EVトラックという新しいビジョンを掲げることにより官公庁、同業界企業や他産業などからの協力を得て、最終的にはIPOも目指す事業を起こされていることに驚嘆した。

2社目:株式会社CareSpace
https://www.care-space.jp/
会社概要:代表者の三浦氏は26歳で起業しデイサービスを運営、現場の課題を受けてVCから調達した。
CareSpaceとは要介護者の情報を蓄積させるケアマネ・介護事業者向けのICTプラットフォーム。ケアマネージャーと介護事業者の情報を蓄積してプラットフォームを形成し、最終的には個人向けに展開し消費者がケアマネを選べる世界を実現することを掲げている。介護における山形モデルの構築を目指す。創業アワード大賞受賞。

気づき・学び
山形という地方都市から、IPOを目指すスタートアップが生まれていることに感銘を受けた。介護業界という課題に溢れているフィールドを選び、戦略的に自社の資源を投資して解決していくという同社の取り組みは非常に勉強になった。実現可能性を念頭に置いて考えてしまう癖があるが、既存の介護サービスを繋ぐ事業構想を伺い、理想を思い描くことの大切さを学んだ。また、これからサービスの提供を拡大していくフェーズであると伺ったが、既にVCから資金調達をするなど、そのビジョンや誠意を持って伝達していく能力が周囲の協力を得るのに非常に重要であると感じた。

(山形市副市長室にて)

3社目:髙橋畜産食肉株式会社
https://www.takahashi-chikusan.co.jp/
会社概要:食肉の製造から、加工、販売などを一貫体制で展開(垂直統合)・売上約50億円、山形・宮城の牧場にて3000頭以上を飼育、社員数200名程度。ベトナムなど海外からの技能実習生も受け入れている。HCCP、JGAPなどの認定も取得。

気づき・学び
同族経営における2世、3世などの関係性の中で受け継がれている哲学や想いの中で生まれる意思決定や信念をお伺いし、机上で学ぶことのできない経営における重要な要素を肌で感じることができる大変貴重な機会となった。同社では、牧場経営からスーパーマーケットの運営、食肉の卸売りから小売りまで多岐にわたる事業展開をされており、これらすべてに経営層が目を配るのは大変なことであると感じた。セールスフォース導入などのDX施策を素早く業務に取り入れることができたのは、オーナーの意見が尊重されやすい同族経営だからこそ実現できた同社の強みであると思った。

4社目:日本地下水開発株式会社
https://www.jgd.jp/
会社概要:井戸掘削事業から無散水消雪事業へ展開、現在は年間を通した冷暖房事業に展開できないか画策。菅元首相のカーボンニュートラル宣言で引き合いが増えており、人々の環境問題への関心が高まった今、まさに変曲点を迎えている。

気づき・学び
熱の活用というと、100度近い高温や零度以下の低温を想像していたが、地下水の持つ15℃前後の再生可能な熱エネルギーを利用するという着眼点に驚いた。当たり前に存在するものもすべてが資源であり、我々の使い方次第でサステイナブルな暮らしはより身近になっていくのではないかと考えた。見学させていただいた自社実践の装置には様々な技術が詰まっていて、それを支える技術者の方もおり、現時点では脚光を浴びていない企業にこそ潜在的な可能性が山ほどあると改めて認識した。

2日間のビジネスツアーを終えて

玉川希(KBS M43)
今回のスタディツアーを通して、KBSで2年間通して学んだことを山形というフィールドで感じることができました。企業を視察する中で、本業を守り育てていくことと新規事業を立ち上げていく中でのジレンマや、世代交代の難しさを痛感しました。この学びを、これからの仕事などで社会に還元していきたいと思います。

福永夢真(コニカミノルタ株式会社:委員長杯参加メンバー)
今回、ビジコンメンバーの一員としてスタディツアーに参加させていただきました。普段は会社員として組織の一部となって働いているため、本業から離れて多様な企業を俯瞰するのは大変貴重な経験となりました。私も新規事業の部署にいることもあり、訪問先企業の、既存事業から一歩踏み出した先進的な取組に刺激を受けました。この経験を糧に仕事に、そして社会へ貢献できるよう努めます。

池田颯(KBS M44)
山形は可能性に溢れている。KBSで勉強していると言語化できて、定量的に評価できるものに議論が偏るが、言語化できない魅力や価値があることを山形で再確認できました。学びの機会をくださったKBS OB会、委員長杯のスポンサー様、実行委員会の方々、そして今回快く訪問を受け入れてくださった企業様、井上副市長、俳人岩田 奎様、2日間8人乗りの車を運転し続けてくださった清水 勝彦教授に深く感謝いたします!宿泊させていただいた深山荘(名湯一門 高見屋グループ)で岡崎社長と4時間にわたって語り尽くしたことは忘れません!

(宿泊場所:名湯一門高見屋グループ深山荘にて女将と共に)

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