第56回高等経営学講座 開催報告

2011年7月26日(火)~8月3日(水)(8泊9日)帝国ホテル大阪にて第56回高等経営学講座を開講しました。1956年に慶應義塾大学がハーバード大学ビジネス・スクールと提携して開設したトップ・マネジメントのための「高等経営学講座」を、毎夏、ハーバード大学ビジネス・スクール等海外の諸大学から第一線級の講師陣を迎え開講してきました。今回の第56回講座までにその受講者は3,700名を越えています。

招聘教員

デニス・ヤオ(Dennis Yao)
ハーバード・ビジネス・スクール教授

清家 篤(せいけ あつし)
慶應義塾塾長

髙須武男(たかす たけお)
バンダイナムコホールディングス
取締役会長

KBS講師陣

「新時代の競争戦略」

今日わが国は、新たな成長のためのビジネスモデルやマネジメント・スタイルを確立する時期に至っています。こうした背景のなかで、本年の高等経営学講座はテーマとして「新時代の競争戦略」を掲げ、変わりゆく環境において変化を見極めるいわば動体視力を磨きながら、来るべき時代において求められる競争戦略のあり方について、様々な観点から洞察を得ていただくことを、セミナーの目的に据えました。

講師としては、本校講師陣に加え、競争戦略の権威であるハーバード・ビジネススクールのDennis Yao教授、バンダイとナムコ統合の立役者バンダイナムコホールディングスの髙須武男取締役会長、慶應義塾塾長の清家篤教授を迎えました。豊かな経験と見識を持った講師陣のリードのもと、具体的マネジメント課題について、様々な背景をもった参加者間で繰り広げられる、真剣かつ自由闊達な議論が、受講生の皆様の専門的マネジメント能力の醸成に大いに貢献したと確信しております。

 当校の社会人向けセミナーの特徴として、講師陣・プログラムの内容の充実、受講生のレベルの高さを挙げることができます。当セミナーは合宿型のセミナーであり、プログラムの中に懇親会や体操等も設けていますので、各業種の一線を担われている受講生同士の異業種間交流にも一役買うことができたと思います。

受講者の声

  •  中日に講演が入るのは、メリハリあるいは負荷面で適切だった。(輸送用機器、57歳)
  • 大変雰囲気のよいセミナーだった。後輩にも、ぜひ勧めたい。(情報・通信業、53歳)
  • 体操・懇親会も非常に良かった。(体操は、今年から新設。)(輸送用機器、49歳)
  • 内容・質とも、まさに最高レベルの研修であり、感謝しています。(機械、51歳)
  •  聞き及んでいた以上にハードな内容であったが、科目設定はかなり熟慮されたと感じた。(団体、54歳)
  • 塾長の講演から一貫した討論の構成で、各テーマからは想像できない議論となり、大変勉強になりました。(情報・通信業、50歳)
  • 外部講師のDennis Yao教授のファシリテーションが情熱的で、集中することができた。(食料品、50歳)

高等経営学講座余話

 1956年に第1回を開講した高等経営学講座は、1962年に正式創立をみたビジネス・スクールに6年先立つ歴史を持ち、当校が創立50年を来年に控えた現在においてもなお毎年欠かさず開催されている。第1回から第5回までは、この講座のために組織されたハーバード大学高等経営学講座委員会が運営を担当した。そして第6回は1960年に設けられた慶應ハーバード・ビジネス・スクール委員会に運営が任され、1962年の第7回以降は、この年に大学内の正式組織として発足した当校が担当することになった。また、講座の名称も当初はハーバードのみを冠していたが、第6回(1961年)から「慶應ハーバード高等経営学講座」となり、その後第7回(1962年)からは、単に慶應義塾大学ビジネス・スクールが開催する「高等経営学講座」となり、現在に至っている。初期の参加者名簿をひもとくと、当時の日本の経済界の第一線にあったトップ経営者が数多く参加していることが目をひく。このことは、その後の大学院経営管理研究科(1978年開設)へとつながる当校の発展に大きな意味合いを持ったものと考えられる。

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